冬の湿り paris

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冬の湿り

 

朝気温  5℃、日中予想温度 7℃。寒気が去り、生暖い風が流れ込んだで来た。

立春を前に大気が動き始めた。陽はまだ顔を見せず、湿っぽい日が続きそうだ。

 

宿題の配線工事に奮闘して自宅に籠もっている。散歩にはイマイチ気が進まない

湿った風が流れている。作業リズムを少し掴めて来た。此の調子を継続する。

マスクせずに埃仕事していたら、鼻孔が少し痛くなって来た。留守番中なので、

今日からしっかりとマスクを付けて取り組もう。昨晩から久しぶりに読み直した

カムイ伝の『山にすむものには、医者もなければ薬もなかった。もし傷つけば、

傷口をなめ、ほこりを取り、マッサージで炎症をへらし、毛をほうたいにして、

体力の消耗をふせぐためにじっとしているいがいにない。あとは、体力がすべて

をきめてくれる』思い出して気を締めた。相棒は京都生活シュミレーション中だ。

 

 


等身大の鏡 paris

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等身大の鏡

 

石造りを背景にした街角ファッション。散歩道の風景は何時も開かれた教本だ。

風景に溶け込む自分を探し出す。そんな習慣が日常の中に今でも残されている。

 

シアトルからパリへ移って来た当時、パリ生活の第一歩を紐解いて教えてくれた

親切な絵描きと知り合った。共にまだ若く、自活アルバイトで踏ん張って生きる

学生同士だった。彼曰く「この街で暮らす人は等身大の鏡を持っている」との

言葉を懐かしく思い出す。外出時は扉前の鏡で街に溶け込む姿を確認するそうだ。

今ではオールドファッションとなっているのかも知れないが、自分の姿を風景の

中に見詰めている視点が感じられた。そんな習慣がこの街には今でも多少残され

ている。背景の中に置いて観る感性が様々なスタイルを生み出して来たのだろう。

 

 


立春待ち paris

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立春待ち

 

寒気団が風に流される様に移動した。気温が急に緩み、体を伸ばしに街へ出る。

大寒の − 5℃迄に冷え込む日が続いた為、さすがに鉢花の多くが首を垂れている。

 

太陽はまだ雲の中から顔を見せてくれないが、緊張した身体が久しぶりの気温の

緩みを感じて喜んでいる様だ。窓辺の植木もさぞかし一息吐いている事だろう。

花が寒さで首を垂れた時は、暖かい時を見計らって「ほんの少しづつ」水を与えて

やるんだよ。決して一度に沢山の水は禁物だ。「ほんの少しづつ」だネ。少年は

何かを習得したかの様に繰り返した。命からがら大寒を乗り越えようとしている

健気な植木の辛抱を察した。京都の裏庭には雪が積もったそうだ。立春を待とう。

 

 


怪獣たち paris

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怪獣たち

 

兵(ツワモノ) の路上ライブかな ... ? 外観の勢いよりも内なる熱が肝心だ。

出演の改造ロボットは、人間臭いはにかみや体型バランスを醸し出していた。

 

どちらかと言うと、硬いモノより柔らかいモノが好きな方だ。其れにも増して

旧型良品が好みの為か?水木しげるさんの「妖怪」や人間が共存出来る優しい

世界が肌に合う性分だ。釣人と少年は改造ロボットの声無き叫びに足を止めた。

フルメタリックの隙間から漏れる人間臭いペーソスに少しホッとさせられた。

釣りチョッキを思わせる胸の膨らみのせいだろうか? ウェーディングしている

釣人の姿をも空想させられた。本性は、ツワモノの純情か? 妖怪の優しさか?

拠り所は、造り込んだ外観よりも内に秘めたハートの温もり次第となるだろう。

 

 


相棒の出張 paris

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相棒の出張

 

大寒の盛りに、相棒が一時帰国して打ち合わせ準備の為に京都へ出発した。

現在の処、パリの気温は温度上では冬の京都の寒さを少し追い越している。

 

雪や底冷えが進む中、隠れ家「鹿ヶ谷」改築工事プランが進められている。

通信による連絡だけではどうしても伝え切れない部分が在り、書類手続きや

具体的なイメージ伝達などの打ち合わせ準備の為、相棒が京都へ出発した。

相棒に出張を頼み、釣人はパリ自宅の内装工事に取り掛かる。生活と兼用で

室内改装を進めるより、一人工事の方が効率良く動ける事に期待している。

大寒の盛りが訪れ、少年の住む屋根裏部屋も今が寒さの真っ盛りと言う事で、

釣人は少年へ避難して工事現場だが男同士の合宿生活をしないかい?と提案。

少年は寝袋持参で飛んで来た。整理中に相棒が撮った写真作品が出て来た。

土壁の補強と亀裂防止の為に混ぜる天然「壁スサ」の質感実現に夢を馳せる

相棒のイメージが伝わって来た。きっと、イイ打ち合わせになると合点した。

 

 


アトリエの匂い paris

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アトリエの匂い

 

自宅近くにあるガラス工房のアトリエでは毎日見習い人がよく鍛えられている。

使い熟された道具類に釣人は窓越しに足を止めた。懐かしい匂いが流れている。

 

以前に当日のルマンレースピット真上の特別室で、幸運にもスタッフの動きを

直に拝見させて貰えた事がある。各スタッフの各動作には一瞬の無駄もなく、

其のクールな動きや分担ぶりに心を打たれた。説明によると、プロスタッフが

一年間、このピットと全く同じ空間でシュミレーションを続けて来たそうだ。

限られた流れの中から引き出せる可能性を最大限に生み出す準備が仕込まれて

いた ... 。寒さが増した街を歩きながら、釣人はガラス工房のアトリエ前で足を

止めた。見習い人が棒に付けた真っ赤なガラス玉を高熱の炉の中で回している。

師匠がすぐ後ろで見守っていた。釣人と少年は懐かしい匂いを嗅ぎ取っていた。

 

 


大寒近し paris

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大寒近し

 

朝気温 −4℃、日中予想温度 1℃。まだ弱々しい陽ざしに大寒が近づいている。

大寒を直前に、フランス全土を寒気が覆っている。新年一番の寒さが訪れた。

 

自宅近くの朝市で久しぶりに北海道出身の画家と出会った。「寒いねェ!」と

挨拶を交わしたが、「冬は、やはり寒い方がいいネ」と道産子同士の即座の合点。

暦では 2〜 3日で「大寒」を迎える。暖冬ぶりを心配して来たが、冬らしい寒さが

訪れている。道の水溜りにはしっかり氷が張っている。久しぶりに北海道時代の

冬の歩き方を復習した。陽光はまだおぼろげなオレンジ色。冷気浴に街を歩いた。

 

 


冬の小物 paris

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冬の小物

 

随分とクラシックに見えるが、当時はハイカラさんの冬の小物だったのだろう。

取り付けにさえ気をつければ、今でも十分現役ぶりを楽しませてくれそうだ。

 

エッジが錆び付いていない処を見ると持ち主が大切に楽しんだモノと思われる。

皮ベルトには保革油が施され、十分な柔らかさを保っている様に感じられた。

子供の頃、盛岡に住んだ時期が在る。当時は、冬に凍った道で子供達は同じ様な

下駄に金属歯を付けた即席スケート具で遊んだものだった。幼年期の冬の出来事。

想像出来るかなァ? 植物園の池が凍り、見たこともない綺麗なフィギア選手が

森の氷上で練習している風景を ... 。室内スケート競技場ではなく、白銀の世界。

釣人は今でもその眩しさを記憶している。心に焼き付いた、妖精達の舞台だった。

勿論、各選手は最新用具を身に付けていたが、子供達は初めて見た夢の用具を

手の届く工夫で手に入れて、冬の妖精を気取ったものだ。釣人に時々顔を見せる

小物好きには、そんなルーツが在った。楽しみ事には独自の工夫が隠されている。

 

 


明日の天気 paris

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明日の天気

 

子供の頃、道でサンダルやズックを飛ばして明日の天気を願った事が在る。

天気予報もナンノソノ、てるてる坊主も登上させて牧歌的にやっていた。

 

指先を動かせば情報が自由に飛び込んで来る時代。今日そんな情報を自由に

操れないと、儘ならない焦りに苛まれる事情も在る。明日の天気は大丈夫かな?

『よき細工は、少し鈍き刀をつかふといふ』と言う言葉があるそうだ。

子供の頃のしなやかな肉体は失いかけているが、学生時代に運動で鍛えた筋肉は

油を足してやればもう少し役目を果たしてくれそうだ。少し鈍くなった肉体も、

「よき細工」には何か役立つかも知れない。自宅近所の散歩道に区が設置して

くれた設備が在る。釣人は「無料ジム」と呼んで、昨年以来、サーキットへと

日課にした。明日の天気は自由に変えられないが、牧歌的な希望は抱けそうだ。

 

 


二十四節気 paris

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二十四節気

 

三寒四温を繰り返し、微かな陽射しの変化が伝わって来る。もう暫くの春を待つ。

季節を大まかに捉えて過ごして来た。二十四もの季節が巡る事を最近になって知る。

 

「冬至」を昨年暮れに越え、新春の「小寒」を迎えている。二十日には「大寒」だ。

冬の流れに時のスピードが止まっている。年末休みから新年へ、次のステップへの

新チーム編成、書類の確認待ちやら変更事項の調整などと、新春早々は待ち時間が

続く。少々持て余し気味で、何とか時間を早送りする方法を少年に問うてみた処、

「果報は寝て待とう」と慰められた。狸寝入りで、二十四に細分された時を数えた。

「大寒」を十五日過ぎると「立春」がやって来る。針が、少し早回りをしてくれる。

過ぎて行く時を今は丁寧に味わおう。先人は季節の中に生活のヒントを感じ取った。

 

 


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