課外授業

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訪問授業

 

授業には各所を訪問する時間が多く含まれている。担当者の丁寧な説明が始まる。

柔軟な感性が実際の現場を一足先に見学して、新たなモノを吸い込んで行く。

 

先生に連れられ、皆と一緒に学校を半日抜け出せるのは悪くない。新鮮な説明に

興味津津なのだろう。何時もはヤンチャな子供達も幾分静かに聞き入っている。

教室や自宅とは異なる空間の中から、彼らは何かをどんどんと吸収して行く。

新しい発想や問題と正対する姿勢、柔軟な感性が羨ましい限りだ。此方では

担当者もそんな何かを楽しんで説明に夢を託しているのだろう。清々しい流れだ。

どんどんと吸収する子供達と現場で向き合って行く事を思う。もう少し頑張れる。

大人の社会は営為により其の主体を褒め称える。少年の日の宝物を思い出したい。

 

 


スオミの匂い

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スオミの匂い

 

釣人には狩猟の習慣はなかった。ただ時々、スオミの匂いを嗅ぎたくなる。

生活と共に生きるモノ達だろうが、時々の手入れだけで付き合って貰っている。

 

フィンランドでは自国を「スオミの国」と呼び合う習慣がまだ残っていると

知ったのは、学生時代に読み齧った五木寛之の小冊からであったと記憶している。

まだ海外を知らず、北欧のフィンランドに、バイキングと若干容姿外観が異なる

東洋の目を持つ人種が住んでいる事、「スオミの国」の話には、若い感傷を十分に

刺激されたものだ。最近、マイナス 70 ℃の環境の中でも暮らす「北極キツネ」の

遠吠えの声をドキュメント番組の中で聴いた瞬間に、同様の感情が蘇って来た。

先日、一本のナイフが釣人の竹梱に加えられた。釣人は、時々其の匂いを嗅ぐ。

唸り声ひとつあげず、ひと時を共に過ごしてくれる。心を込めて、研ぎ澄まそう。

 

 


クワガタ

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クワガタ

 

添えられた雄鹿の角は、或る夏の日のクワガタ虫との出会いを思わせた。

少年は初めて自分で見つけたクワガタと出会っていた。夏の日の残照だ。

 

釣人は林に動く雄鹿の陰を見出していた。少年は夏の日のクワガタを思った。

雄角のシルエットには心を震わせる媚薬の様な何かが隠されている。静かに

眠っていた思いが揺り動かされる。遠い昔の武将の甲冑を思い浮かべたり、

自作の竹竿をそっと添えてみたり、知らぬ間に空想の世界へと引き込まれる。

狩りで追われる立場に在りながら、其れでも尚、雄壮な姿を保っていてくれる。

人がまだ木製の鍬を使っていた頃から引き継がれた野生の心に火が灯される。

 

 


晩秋暖冬

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晩秋暖冬

 

暖かい11月を過ごしている。散りきれずに枝に夏葉を残す樹々も見受けられる。

氷結はまだ訪れていない。黄葉が晩秋の面影さえを残している。暖冬の兆しだ。

 

暑い夏には寒い冬が訪れるものだヨ と言われる。猛暑が訪れなかったからかナ?

今秋も暖冬の気配だ。冷夏暖冬を引きずっている。季節を迎えても散りきれずに

夏葉を残す樹々の数が増えている様に思える。街に枯葉が舞い、樹々が裸になると

冬景色らしくなるのだが ... 。スッキリ散り落ちた方が、春の若葉も育つのでは?

心配性の釣人はひとつため息を吐いた。秋を重ね、あとひと月程で冬至を迎える。

 

 


フェニックス

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フェニックス

 

冬の散歩道、無料美術館に立ち寄る。東洋コレクションが多数陳列されていた。

フェニックス(不死鳥) : みずから火中に入り、灰の中から再生する伝説の霊鳥。

 

冬の散歩は片道をバスや地下鉄を利用して場所を変えて歩いている。調べると

パリ市内には多数の美術館や博物館が無料で解放されている事に驚かされる。

当然、パリ市から其れなりの援助が在っての事だろうが、気の利いた政策に

感謝して足を運んでいる。貴重なコレクションに驚かされ、冷えた体が温まる。

少年がフェニックスと題された木製作品に足を止めた。エジプト神話の霊鳥で

『アラビアの砂漠にすみ、500年に1回、みずから火中に入って焼かれ、その

灰の中から若い姿で再生すると言われる』不死鳥の言われらしい。少年の目は

冬のストリーマーを思い、釣人は翼に残る微かな白銀の輝きに新鮮さを感じた。

 

 


水の音

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水の音

 

冷たい冬の雨が続いている。小雨時々晴れ間。まだ寒気は到来していない。

忘れていた青い冬が懐かしく、短い晴れ間に急ぎ足、川風を吸いに行った。

 

ごく身近にあるモノほど忘れがちになるものだ。水の音を聴きに行って見よう。

釣人は早朝に少年の屋根裏部屋を訪れた。「冬の晴れ間は短いヨ」急ぎ支度を

整えて見晴らし良い上流の風を吸いに行った。想えば、其処に「水の音」在り。

爽やかな川風は流れている。ひと時を少年と供に過ごした。暖冬の模様だが、

冬の小雨はかえって冷たく感じられる。二人は、襟ジッパーを顔まで引き上げた。

改築中の隠れ家「鹿ヶ谷」は給排管設置迄漕ぎ着けた様子。水の音が聴こえた。

 

 


スケルトン

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スケルトン

 

skeleton : 語源はギリシア語。骸骨、骨格、建造物の骨組みなどを意味する。

骨組み状態を剥き出しにする「スケルトン」はデザイン流行り言葉にも登場した。

 

構造の骨組みを露わにした状態は、其の機能を解り易くシンプルに提示してくれる。

少年の注意を惹いたのは、一直線に伸びた「シッポ」であったらしい。散歩途中で

釣人と少年は足を止めた。シンプルな色分けが構造的な骨組みを露わに見せていた。

此処から始まり、少しづつ装飾や使い易さが加えられて行くのだろう。造り出す前に

一度余分な全てを剥ぎ取って見る事は、創作時の基本的な作業第一歩だと合点した。

ブルーシートで覆われた改築現場の様子が京都からインターネットで届けられた。

此れもまた、通信網の骨組みの恩恵。現場の進行状況も無駄なく配信される時代だ。

 

 


北緯 48度 58分

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北緯 48度58分

 

パリは冬を迎えようしている。秋雨と冷え込みを繰り返し、冬が始まる。

高緯度の太陽が斜光に変わり始めた。今晩、スーパームーンの夜を迎える。

 

冬至へ向かってどんどん日照時間が短くなっている。朝方の窓の明るさが

冬の訪れを告げている。今晩はスーパームーンの満月が見られるだろうか?

まだ寒さは訪れていない。冬の小雨が降り続いているので、体感温度には

随分冷たく感じる。街路樹の葉は枝に散り残って、見た目よりも寒そうだ。

お月さんが顔出してくれたら、少年と久しぶりに夜道の散歩でもしてみたい。

 

 


霜月 (しもつき)

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霜月(しもつき)

 

朱夏が過ぎ、白秋を迎えようとしている。穏やかな秋に霜が降りて来る。

木葉の湿り気は凍てつく寒さで霜柱と変わり、静かに冬へと移って行く。

 

森の湿り気には、夏の名残がまだ漂っていた。暖冬の兆しが感じられる。

朝顔の開花には夜明け前の漆黒の闇と明け方の寒さが強く関連していると

以前に聞いた事が在る。また、冷たい流れの中で洗われた染物が、いつか

鮮やかさを醸し始める事も森の散歩時に思い出した話だ。其の色が表情を

現わす為には、光の変化や日夜の温度差が重要な働きを持つ事が頷けた。

もう霜が降りる頃、野生シクラメンの花弁も一段と鮮やかさを増す季節だ。

先日、改築中の京都鹿ヶ谷宅の棟梁から内装解体が終了との吉報が届いた。

ニュースでは、新しい米国大統領の報道が続いている。少し街を歩きたい。

 

 


一枚の羽根

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一枚の羽根k

 

羽根は様々なモノへ姿を変えて使われる。取分け、釣人にとっては貴重品だ。

若き日の熱情で様々な羽根を収集して来た。そして或る日、其の量に目を回す。

 

珍しい羽根に出会う度、これでは少ないかも知れない ... と、追補を心掛けた。

熱情を燃やして来た。まだまだ安心出来る程の在庫ではないが、ある程度は

熟せる分量に至っている。もう少し腕を上げてから使おうと、度々倹約しては、

粗材から使って来た結果、良質の羽根が随分と残っている。最近、眼鏡の助け

が必要になって来た。困った事に、眼鏡を磨きながら、ふと、スタンダードな

極当たり前の普通の羽根で一巻入魂のラブレター(毛鉤)を書き上げて見たいと

想いを馳せる様になるから困ったものだ。一体、釣人のラブレター(毛鉤)とは

如何なるモノなのだろうか ... ?  道で拾い上げた渡り鳥の落し物や、出会した

鳥巢に散乱した抜け羽根 ... 、そんなモノで無器用に書き上げたラブレターが

今ではイイ様に思える。出会えた事、羽根で釣人の熱を届けたい。それがイイ。

 

 


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