基盤色

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基盤色

空間全体の多くを包み込み、一つの流れへと導くベーシックな色相が在る。
其の色は、小さくても美しくコントラストを示す色の存在を教えてくれる。

オールブラウンと言うラブレター(毛鉤)を空想した。隠れる様に朽ち果て、
姿を流木に忍ばせる様な色合い。一体どこに命の証が隠されているのだろう?
小さなポイント程、野生魚は必ず見逃さない筈だ。出来るだけ多くの部分を
隠して見よう。きっと、より効果的なポイントを作り出せる事に辿り着く。
野生の心に響くラブレター(毛鉤)を探求する。釣人と少年の合点の拠り所。
若草色が川辺を覆い、夏場には枯色へ移って行く。色相の流れを感じ取りたい。


 

一滴の油

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一滴の油

「オズの魔法使い」ブリキの兵隊と同じ悩みを抱えているとお見受けした。
潤滑油の効き目は素晴らしい。一滴でドラマを引き起こしてしまう魔法の力だ。

最近、週末を各所「ノミの市廻り」で過ごしている。トランク一個から始まった
釣人の生活だったが、気付いて見ると随分荷物が増えてしまった。生活開始は
殆どを「ノミの市」で見つけたモノモノに囲まれてのスタートだった。ギャラが
入る度に何時も「ノミの市」へ探しに出向いていた時期が懐かしい。数年以内に、
京都への計画が現実に近づいている。荷物整理に頭を悩ましながら、それでいて
長年を過ごして来たパリの時間を、ポケットに詰め込む様に、何かの形として
隠れ家「鹿ケ谷」へと持ち込めないか? と出会いに期待している。一滴の油が
その機能を蘇らせてくれる様な、魔法の小品がいい。小さなモノを探している。


 

カメリア

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カメリア

東洋、西洋を問わず、世界中の至る所で、其の可憐な姿を楽しませてくれる。
カメリア、ツバキ、椿 ... 。使う字体によって、其の香りも違って感じられる。

イタリア北部湖畔の高級避暑地では、今頃美しい色合いを醸している頃だろう。
パリの小路の奥にも、可愛らしい顔や蕾が春を教えてくれている。面白い事に、
東洋の姿と思っていたが、西洋各所にも其の可憐でつややかな姿を示している。
カメリアと呼べば西洋を醸し、椿(つばき)と呼べば「椿姫」と愛らしくなる。
黒髪を薫らせるツバキ油は、愛竿のリールシートや自慢ナイフの柄部手入れに
釣人も重宝して使わせて貰っている。友の詩人よると、蕾もまた良しとの事だ。
桜が散り姿に美しさが知られる様に、この花も、独特な別れ方を示すとの事だ。
種類によっては花びら一枚づつ散って行くものも在り、調べて行くと、種類の
豊富さに驚かされ、人々が深くこの花と関わって来た物語と出逢える。そして、
見つけた第二の隠れ家「鹿ケ谷」が、京都でこの花と再会させてくれる機会を
残してくれた。鹿ケ谷に多く愛でられた其の花、少年へも紹介をして伝えたい。


 

春風

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春着

少年が春風に息弾ませながら駆けて行く。そんな頃の風に馴染みそうな服だ。
ウィンドーに映った釣人は、首元の黒バンダナを結び直した。春風を待っている。

最近、仕事着と旅着、釣着、生活着が一緒になって来た。時々鏡を前に反省する。
「衣食足りて礼節を知る」 とは言わないまでも、心して、カッコ良くは在りたい。
だんだん無精に根が生えて来ると、「ミニマリスト」を言い訳に、楽を始めている。
専門の釣着離れが始まり、普段着と言うか?仕事着が意外と川辺でも便利であると
サボリを決め込んでいる。まずい事に、このサボリ癖は少年にも伝染して来た様だ。
少年には、「イッチョライ」が必要な春が始まる。釣人はウィンドーを覗きこんだ。
春風は皆に平等に吹いてくれる筈だ。悲しいニュースへ立ち向かう温かさが欲しい。


 

街のせせらぎ

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街のせせらぎ

季節は「春分の日」を迎えた。太陽は真東から出て、真西へと入って行く。
昼夜の長さがほぼ等しくなると、朝方の窓明かりも随分と優しくなって来た。

パリの日中気温は少しづつ上がって来ているのだが ... 。まだまだ肌寒く感じる。
過ぎて見るとやはり暖冬であった。今春は帳尻を合わせる様に、春先になってから
何時までも小寒い天候を引きずっている。春いまだ遠しと言った気候が続いている。
散歩途中の花壇に青色小花が顔を出していた。人の手が加わった花壇の割には
野趣を含み、釣人と少年の空想を拡げてくれた。そう、其の青小花の向こうには、
きっと、野生鱒が好む清廉な流れがせせらいでいる ... 。二人の空想がきらめいた。
春分の日、「沈黙の春」の向こうに微かな輝きを期待する。うららかな春を探した。


 

森の先生

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森の先生

丸いメガネに引き締まった口元。やはり、森の先生は物静かでカッコ良い。
少年の頃から森や林を歩き廻ったほうだが、まだ森の先生とはご対面無しだ。

ライフワークとなる分野が見つかった頃から、釣人は独学探求の道を歩き始めた。
もう、森の先生は定年退職を迎える歳の頃かも知れない。眼鏡の奥には見開いた
物静かな眼差しが在る。森の夜に起こる事、まだ明けぬ早朝の暗闇から始まる
毎日の出来事、物語を見詰めて来た瞳。釣人と少年には、まだまだ道標が必要だ。
五里霧中の暗中模索。深い森の奥や、暗い林の中には、教えを請わねば進めない
出来事が山ほど在る。釣人は、幼年時代に林の奥で「オニヤンマの飛行路」を
発見した日を想い出した。毎日、同じ時間に其処へ行き、其の勇姿を探していた。
光陰矢の如しだ。何時まで森の先生は、釣人と少年を待っていてくれるだろうか?


 

散歩道

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散歩道

待ち伏せ型か? 追跡型か? どっちらかと言えば、「棒」探しが好きな方だ。
毎日歩き廻っては、咥え心地の良い「棒」を拾って来る。街は開かれた教本だ。

最初は安全な自分の守備範囲から始めよう。常に、オッカナ ビックリこそが
自分の身を守る鉄則である事を心しよう。慣れて来ると少しづつ周りの景色が
見えて来る。目を丸く大きく見開いて、街の出来事を観察する。家に戻ったら
その日に学んだ新しい体験を書き残しておこう。何時か困った事が起こったら、
もう一度戻って来れる処になるかも知れないよ。シッポ振り振り、出掛けよう。


 

解禁日 「ひとっ走り!」

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解禁

解禁

解禁

春が来た。まだ寒いが、待ちに待った鱒釣り解禁日。「川開き」と呼ばれる。
少年がソワソワしていた。「行って見ようか?」三人は一斉に車に乗り込んだ。

例年より肌寒い春先だが、この週末から、フランスの一般鱒川が解禁となった。
ひとっ走り駆ける車がないと儘ならぬ気分だろう。相棒と相談して、チョコッ と
近郊へ出かけてみる事にした。小川の風は柔らかく、流れも優しくなっていた。
遉にまだ虫の動きは見当たらなかった。駆け出す少年を見送りながら、釣人は
久しぶりの流れを眺めた。「大きな愛と出会えるだろうか?」少年に恵みあれ!
今どの辺を歩いているのだろうか?釣人は毛鉤箱を開き、流れと語り合っていた。


 

寒春

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寒春

いよいよ、三月第二週目の週末に鱒川が開かれ、鱒釣りシーズンが開幕する。
春を待った釣人達は、例年の事ながら歓び、野生鱒には至難な時が始まる。

釣人と少年は「今年の春は何時もより随分寒いね」と、目を細めて掌を擦った。
フランスの一般的鱒釣り一級河川は、三月中日から九月中日迄、シーズン開幕。
何かと我儘な釣人達だが、約束のルールを守り、昨秋の九月中日の川閉日以来、
長い冬間を待ち通して来た。野生鱒も産卵を無事終えた事だろう。今春の気候は
例年よりまだ肌寒い。冷夏暖冬の傾向が続いているが、寒春と暖秋が挟んでいる。
そんな愚痴は溢していられない。冬の間に、少年はまた一つ成長を遂げている。
二人は、川風に少し研究を深め、新しいラブレター(毛鉤)を巻き溜めている。
多くを釣る必要はなかった。気持ちを受止めてくれる、野生のきらめきに期待する。


 

木肌

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木肌

石造りの街では、やはり肌恋しくて、木の素材も大胆に取り入れられる。
石材に負けない様に、厚めの無垢材が好まれる。分厚い木肌が頼もしい。

石の上に横たわるか? 木の上で寝そべるか? 草の上で昼寝をするか?
昔、洞窟や土の上で火を使いながら、人は自然環境に合う肌合いを求め、
其々の様式を見出して来たのだろう。肌に合うとは、皮膚の感触もあるが、
生活を包む全体的な環境との調和も大きな要素だと思われる。ある部分に
必要なコントラストが在り、ある部分では穏やかな調和も求められる筈だ。
東洋と西洋の習慣の違いは、木材の使い方にも多少の感覚差を生み出した。
西洋では木肌に石材との調和を組み込み、東洋では木肌に畳や植物材との
融合も工夫して考えられた。分厚く頼もしい強さ、繊細で軽快なリズム。
どちらも環境に適度なコントラストを持ち、旨く調和した様式が生まれた。
釣人と少年は自分の生活様式を空想した。どんな木肌が見つかるだろうか?


 

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