冬空

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空

人は其々の空を仰ぎ見る。怪鳥の様に行く閃光に、今日は何を思うだろうか?
魚眼に映る空はどんなだろうネ? 釣人と少年は初冬を迎えたパリ空を眺めた。

三寒四温といった調子で少しづつ寒さを迎えている。通常の寒さは青空と共に、
小雨が降ると多少気温が温まり、本当の寒さは濃霧が街全体を覆ってやって来る。
今年も白息を吐く季節を迎えた。釣人は内着をもう一枚重ね、少年はジッパーを
顎まで上げて散歩している。小気味良い寒さが訪れ、空は冴えわたった。上空に
尾を曳く様に飛行機が飛んで行く。「ジェット・ストリーマー」、二人は薄紅色に
染まった軌跡に上空を仰ぎ見た。蒼い空の彼方をフェニックスの尾が揺れていた。


 

冷え込み

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冷え込み

降り続いた秋雨が止み、澄み切った青空と共に寒気が上空に流れ込んでいる。
パリはこの二三日で急に冷え込んで来た。昨日朝は 0℃、今朝は 2℃と初寒到来。

相棒は手袋をポケットに街へ出かけて行った。挨拶代わりに「気をつけて!」が
現状の合言葉になってしまった。まだ早いが、そろそろとクリスマスツリーが
植木屋に並び始めた。例年よりその数が少な目に感じるのは、街が何時もよりも
静かだからだろうか? 人は笑い、籠を片手に何時もどおりに街を歩いているが、
空爆強化の様子がニュースに流れている。釣人と少年は、冷気を浴びに街を歩いた。
上空に鳥は見えず、寒さを避けて木樹へ降りているのだろうか? 冬がやって来た。


 

雨が降る植木箱

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雨が降る植木鉢

石畳の庭に佇む鉢植えの木が物語を聴かせてくれる。それは、森の雨だった。
金属箱には樹々を抜けた雨が切り取られていた。揺り籠の様に木を包んでいる。

木は生まれ落ちた場所から決して動き去る事が出来ない宿命を負う。だからこそ
風の音や雨の流れに空想の夢を託している。山の話や海への話、遥か遠き流れの話。
鉢は植木の揺り籠だろう。誰かが優しく植木箱に雨模様を刻んだ。植木は静かな
森の話を聴いているのだろうか? 秋の寒さにも負けず、元気に緑葉を残していた。
なんでもないこんな風景が、釣人を嬉しくさせた。小さな声に少年と足を止めた。
少年は時々セーヌ河岸の大樹へと通っている。森の雨の話をしているのだろうか?
傷ついたパリが静かに耐え忍んでいる。勢いに乗るだけが決して解決方法ではない。


 

デザイン力

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煩悩のデザイン

最初はカッコイイ形からだ。そして、何時か? 幼い頃に見た「形」がやって来る。
其の力、どれだけモノを見て来たか?と強く関わっている。記憶の流れから ... 。

今朝、目覚めてTV スイッチを押すと、再び、緊迫した緊急ニュースが流れていた。
近所の朝市が再開した。市場前カフェでは、何時も通り朝陽を浴びながら街人が
語り合っている。パリ郊外北地区で、特殊機動隊がテロ実行犯を発見して急襲した。
現場状況が報道されている。勇ましい建前通りの演説に支持率が少し伸びを増して
傾き始めている。そんな流れの中にも、微かに起こり始めた少数派の意見も在る。
流れは一つの道を選びたがるものだ。感受性に満ちた、話し合いに期待するのみだ。
キナ臭い時だからこそ、釣人は日常通りの生活へと少年を誘っている。考えよう!

目が開いた時に見た光、欲しくて欲しくてたまらなかったモノ、じっと見つめた色、
初めてカッコイイと言われた形。煩悩との闘いのように、釣人はラブレターを巻く。
釣人と少年は誰に届ける為に其れを巻き上げているのか?最近少しづつ解って来た。
幼い頃に見た「形」を受け入れてくれる誰か ... 。共に心を震わせてくれる野性へ。
一体何を信じて書き上げよう。心に響いてくれるだろうか?其れは記憶の流れから
現実の流れへ届けられる。だからこそ、独学探求が、空想の夢を継続させてくれる。
自分流でいいんだネ。釣人と少年は、まだ少しカッコ悪いラブレターを書いている。
それが、現在の釣人と少年の証。他人を傷つけず、先へ進んで行く方法を探したい。


 

地に還る

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地に還る

石畳の街で想う事。夕陽の秋日、釣人は少年へ「地に還る」を問うてみた。
互いに独学毛鉤釣りを探求し合っている。時々の出来事に話し合いが大切だ。

パリを震撼するテロアタックがまた起こってしまった。理由如何に関わらず、
他国を爆撃している以上、どちらかだけが他方をテロ呼ばわりするは理不尽
では?とも思われる。月曜が定休の近所朝市が、昨日は緊急閉鎖されていた。
人と人が憎しみ合う連鎖を断ち切れず、強者が正義を主張して緊迫感が漂う。

少年にはまだ少し早いかナ? と思いながら、其の成長ぶりに期待しては、
釣人は時々難題を投げかける。まづ、自分が辿り得た原点から話さなければ
ならない。釣人は、
藤原 審爾「熊鷹文学碑」より其の石碑文を引用朗読した。

 草も木も鳥も魚も
 人もけものも虫けらも
 もとは一つなり
 みな地球の子                 ( 藤原 審爾 )              


読む度に、其の素朴な言葉に、釣人が独学探求の指標を頂いている言葉だ。
朗読後、少年が「釣人も」と付け加えてくれた。何処まで解っているのかナ?
なかなかどうして、びっくり丸目の割に、ドキドキさせてくれる返答ぶりだ。
奥の極意はまだまだ遥かでも、探求心旺盛な青き良きライバルだ。成長を待ち、
何時か「水に還る」も問うてみたい。今日は「地のぬくもり」を語り合いたい。


          

気力充実

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気力充実

気力がソロソロと体の芯に沸いて来た。丸まったヤル気が背伸びをして動き始める。
少年と日課表を再開した。健康管理の宿題だった玄米食も、昨晩から研ぎ始めた。

『「気」には実態があいまいで融通無碍(ゆうづうむげ)なところがある』らしい。
釣人はなるほど便利なことばだナァ と思い当たる。「気ィ が走る」と魚が逃げる。
ここ一番は「気力充実を待とう」。気心知れた少年との「合点済みの助」心意気だ。
其れがイイ仕事をするコツとも言えるだろう。まづ、頭の中で成り行きを空想する。
射撃の妙手は撃つ前に心の中で命中後の的を想像してから引き金を引くと聞いた。
ジェットラグの回復を待っていたが、お蔭様で休まった釣人の体に何かが生まれた。


 

落葉

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落葉

11月だと言うのに、夕陽の綺麗な暖かい秋が続く。やっと、冷え込みが訪れた。
さすがに木樹も降参して落葉を始めた。裸の細枝がまだ早い冬の訪れを知らせる。

11月も中頃、暖か過ぎる秋日。此処二三日で、やっと少し冷え込みを感じさせて
くれた。新月が夜空に星を輝かせた。朝方の冷え込みで、何時しか落葉が始まった。
街を歩くとワサワサと枯葉が積もっていた。長靴を履いて林を歩くと気持ち良い
散歩が出来るのだが ... 、釣人は少年に語りながら、石畳に積もる落葉を歩いた。
今年は、例年より一ヶ月早く帰国して、一ヶ月早くパリへ戻って来た。年の瀬前に
何か出来そうな時間を得た。少し暖か過ぎて冬を迎える心構えが緩むが、やがて、
北風と共に冬がやって来る。キリギリスを返上して準備しよう。落葉に教えられた。


 

スタンバイ

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スタンバイ

パリはまだ風温かく黄葉の真っ盛り。雪の響きは彼方だが、街の準備が始まった。
今年も暖冬を引きずって行くのかナ? 雪を待つ俊足揃いが、一足先にスタンバイ。

少々時間が掛かったが、やっと帰国時のジェットラグが抜け始めて来た。日本では、
稀に見る晴天に恵まれた。自転車の移動に持って来いの歓迎だった。帰宅後は、
此方も穏やかな秋日が続いた。まだ冷え込みとは程遠く、暖冬の気配が漂っている。
昨日、友の詩人とお茶をした。温かかったローマの話、明日からのスイス出発など、
パリを空けていた釣人には、詩人の新鮮な風を吹き込んで貰えた。「旅へは?」と
聞かれたが、釣人はもう少し時間が必要だった。街は少しづつ、準備を始めている
様子だ。カフェ前の街路樹にせっせと照明が付け始められた。今朝の気温 16℃。
例年に似た暖かな気候だ。俊足揃いに見習い、気持ちを引き締めて冬を迎えたい。


 

秋草

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秋草

帰国中に冬時間を迎えたパリ。体内時計の再調整で日常生活への復帰が始まる。
高緯度に冬が近づいている。まだ訪れぬ冬の寒さを前に、秋草が根を残していた。

日仏間には、冬時間で8時間の時差が生じている。毎年、秋春の日曜に日を決めて
夏・冬時間の調整が行われる。日曜の午前 3時に時計を 1時間進めたり、遅らせたり
するが、今年は 10月25日(日曜)に時計を 1時間遅らせて冬時間へと変わった。
日曜の午前 3時に変える。待ち合わせなどへの配慮らしい。これで日本との時差は
8時間となる。帰国時に背負って帰るジェットラグ(時差)が、まだパリ帰宅後も
抜けてくれない。早朝散歩や入浴、就寝時間の調整、色々試してみるが、これと言う
特効薬にまだお目にかっていない。今朝、帰宅後二回目の自宅植木水遣りを終えた。


 

Novembre

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Novembre

いい線まで行けたんだけどさ ... 、若干ショート。まだ準備不足と言った処かナ?
立ち直って来年へ夢を繋ぐ。なかなか越えられないからこそ、其の日が待ち遠しい。

「そんなことで、こんなことだったよ」。 釣人は頭を掻きながら少年へ報告した。
近海に張り巡らされた刺し網を潜りに潜り抜け、なんとか河口へ辿り着いたんだ。
懐かしい故郷を嗅いだ。全力で何回もジャンプしたさ。最後の堰堤だけが ... 、
越えられなかった。体重は十分に落したんだが、筋力が少し足りなかったみたいだ。
「そんなことで、砂利床の清流へは届かなかった」。来年、筋トレして再挑戦する。
11月のパリが始まる。釣人は少年と街を歩いた。ジェットラグがまだ残っている。
躰を戻し、少し早目の冬支度へ取り掛かかろう。冬迄に終えておきたい仕事が在る。


 

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