JUGEMテーマ:日記・一般
枯れたおじさんが ヒョィ と摘む毛鉤が色鮮やかだったりする。微笑ましい一瞬だ。
思ってもいない技法をいとも容易く行う人がいる。少年の動きにその原動を見た。
高校時代を北海道で過ごした。サッカーとスキー上達に熱情を傾けて過ごしていた。
フランスやオーストリア発信の新技術解説が眩しい写真と解説で紙面を占めた頃だ。
日本スキージャーナル誌では、雪国育ちの子供達のごく自然な両脚のスキー運びに
競技スキーへの応用を見出した解説が載っていた。新鮮な解説に驚かされたものだ。
道産子達は東京を通り越して世界から飛び込んで来る新情報に夢を膨らませていた。
「ヴェーレンテクニック」や「シェーレン状に開け!」と懐かしい語群を思い出す。
其れ等を日本の専門ジャーナル誌が、一味違った表現で、解説フォローしてくれた。
道産子達は押し寄せる新技術の解説を待ち焦がれ、友人と情報自慢話を競い合った。
歳月を過ごした今、釣人は枯木色の机上の色鉛筆を少年と共に興味深く眺めている。
釣人はふと、雪国育ちの子供達がごく自然に踏ん張るスキーの脚運びを思い出した。
色はまだごく微かだが、枯木色の上で、懐かしい旋律を育んでいる様に思えたのだ。