JUGEMテーマ:日記・一般
感じるままにより清明な生き方こそ「クオリティ オブ ライフ/ Quality of Life 」。
『人間は、みんな大きな苦労の石を大切に抱いて生きてるんや ....... 』/ 水上 勉。
港町の少年が朝陽のあたる桟橋で釣糸を手繰っていた。竿すら使わない釣法には
キューバや南米の旅時に海辺でじっくりと御目に掛かっている。もう言葉は不必要。
釣糸に鉤、そして釣人。同じ朝陽を浴びながら、釣人はフラッシュバックして行く。
先斗町に住む静香が橋を渡って来る。庭師だった義父鶴吉のつぶやきが聞こえる。
芸妓の名は静香。水上 勉 「京の川」が流れている。釣りするおじさんに近づくと
無言の挨拶で魚を見せてくれた。夢中に潮風は匂わなかった。限りなく透明な風が
釣人の体中を吹き抜けて行く。 「どこまでも職人として生きていけるだろうか?」
「いつか三人一緒に京都で暮らしてみないか?」 釣人は心の中でつぶやいていた。