夏仕事

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夏仕事

つま先まで焼き込んだ人がそろそろ帰って来ている。順番待ちで第二団が出発。
静まった街の各所で工事が始まる。ブルーカラーはもうひと頑張り、夏仕事を熟す。

気持ち良さそうに軽い足取りで小麦色の人達が街を闊歩し始めた。後ろ姿には
過ごした夏風がまだそよいでいる。待ちに待った出発、第二団が南へ下って行く。
静まった街の各所で裏腹に様々な夏工事が酣を迎える。ブルーカラーはもう少し
辛抱だ。夏場を働く。夏の終り頃に一息つくのが恒例となって来た。海辺では
原色の花盛りだろう。若い時分には、そんな人混みを求め、夏を味わった時期も
在った。最近はこの時期を静かになるパリで手つかずの宿題に追いつく時間と
性根を括っている。もう一段高番手のサンドペーパーで丁寧に磨きをかけておこう。
仕事手を休めて窓風を吸い込んだ。今年一瞬の夏、どんな成果が残せるだろうか?

 

夏の黒

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夏の黒

暑さに負けず、正装は「夏の黒」。釣人と少年はちりばめられた質感に着目した。
渇水の夏川ではそっと落とす小さ目だろうか?夕方以降は叩く大き目だろうか?

夏の音色はどんな感じだろう?黒は各々の存在を許してくれる色だ。となると、
単色の黒だけでは勿体ないだろう。たとえ少量でも「夏の黒」を演出してみたい。
微かな音色を、色に変えて添えたいところだ。自然界には漆黒の「真っ黒」は
めったに存在しないものだ。一見単色に見える黒でも、書道で使う墨汁の如く、
思いの外、数多くの色合いが重なって成り立っている。そんな自然界の黒は、
光が透過すると、ブドウ色の様な色相にも見える。「夏の黒」は暑い流れの黒だ。
二人は汗をぬぐいながら「夏の黒」を探している。きっと、使える色に違いない。

 

水中花

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水中花

暗い淵がパッ と艶やかになる毛鉤も悪くない。ユーモアも愉しみの一つだ。
いまだ未経験の色彩も自作毛鉤ならではのトライアル。旨くいくかは?お楽しみ。

職業漁師ではない釣人なら、自由なひと工夫を加えて、独自のカラーも愉しめる。
探究の新発見に辿り着くまでは ... 、勇気百倍で苦悩の時間を掻い潜ろう。問題は、
「巻きすぎない事」。毛鉤の中に気持ちよく水流が通るスペースを残しておくこと。
あとは、其れらしい「眼」のポジションをポイントとして備えておけば、きっと
君のオリジナルカラーでも何とかなるさ!と釣人は少年を誘う。茹で上がる様な
水温に少年は水色の蛸毛鉤を空想した。釣人はシシリー産良質オリーブ油を思った。
『切れ長の目に揺れるまなざし』 きっと旨くいってくれる。期待して巻き上げる。

 

旅風

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旅風

明日は7月14日(フランス革命記念日)。今晩でW杯 2014 は決勝戦を迎える。
欧州全体が動きだすバカンスシーズンも酣となるが、肌寒い西風が続いている。

釣人と少年、相棒は深夜にかけてW杯準決勝戦をTV観戦。頑張り抜いた選手達、
不運に見舞われた選手達、出し切った汗にまみれた選手達。「勝敗は時の運」、
サッカーボウルはやはり丸かった。女神の悪戯と競技場の大歓声と共に、芝生を
あァ!未知の結果へと転がっていった。ここまでたどり着いたチームが過ごした
経過を三人三様に思っていた。ホイッスルで始まった試合が風と共に過ぎて行く。
今晩の決勝戦を応援する。「さあ、再スタート!」。チームワークが冴えて、心に
眩しく残された。選手はやはりチームの中で動き輝いてこそ清々しいものだろう。
サムライの名をほしいままに纏う選手達のブランド本が書店に並んでいるそうだ。
今晩の決勝戦は?何を魅せてくれるだろう?風の中へ本物の輝きを探しに行きたい。

 

野火の糸

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野火色の糸

和色名:炎色  / 英色名:Fire Red / 仏色名:Rouge Feu / 伊色名:Rosso Fuoco
野火色の絹糸を毛鉤に。黒、銀、金、生成色と合わせてよく使う様になって来た。

水に浸かると褐色味を帯びるが、白色の川底でも暗色の底石でも目に付きやすい色。
小さい毛鉤にも大きな毛鉤にも、それなりの色香や風格を添えてくれるエースの色。
羽根揺れる隙間に顔をのぞかすと、鱒でも鮭でも、イチコロさ!と自信に高を括る。
師匠から釣人へと授けられ、少年へと引き継がれている色だ。相棒専用の毛鉤にも
この色がパイロットとなっている。冷たい雨に降られた時は指先を暖めてくれる色。
眼鏡が大切な毛鉤道具となる最近、ますます、自信を抱いてよく使う絹糸になった。

 

街の川岸

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街の川岸

夏仕事の合間に街へ出る。石段を降りるとセーヌの水に触れられる。
鱒川を思い浮かべた。或る日の幸運と出会えた「柳の下の思い出」が甦った。

里鳥の親は子鳥に餌場回りをひととおり教えると言う。釣人は少年と石段を川岸へ
降り下った。「柳の下に ... 」などと、釣仲間はよく口癖にするが、そんな想いが
現実になった経験がある。もちろん、街中の話ではなく、地方の鱒川での事だった。
厳しい夏川の条件下であったが、同行した釣り仲間も不調、柳の下を丹念に流した
釣人のウェットに確かなアタリが来た。掛かったが、外れた一匹であった。上がらず
の物語はいまだ釣人だけの心中にしまわれていた。釣人は胸の内で、再び柳の下を
探っていた。少年は上流の鱒川を思っていた。柳の枝が二人を夏川へと誘っている。

 

街の木漏れ日

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街の木漏れ日

過ごし易い日が続いている。今年の前半が過ぎ、バカンスシーズンを迎えた。
街で休む人達も木陰で一服。高緯度の北国に短い夏が訪れようとしている。

7月14日(革命記念日)を前に、パリはバカンス風が吹き始めた。夏を待つ街人は
ソワソワと動き出し、気の早いカップルは、身近の木漏れ日に夏を味わっている。
羽蟻達も雨上がりの古い切株からもう飛び発った頃だろう。トンボは羽音をたてて
虫を追っているだろうか?燕は空高く気持ち良くハイスピードを上げているだろう。
街が静けさを迎える頃、釣人の夏仕事が始まる。遅れた分を追い着いておく時期だ。
ここは、窓の夏風を吸い込みながら、普段出来ない面倒な作業を、ゆっくりと熟す。

 

湧水の池

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湧水の池

たとえ流れがなくとも湧水の池。緑に囲まれた低水温の池が良い。
身近にそんな環境が在れば、夏越しの鱒が残れる可能性が生まれる。

酸素を豊富に含んだ低水温の清廉な水質。我儘な夢、贅沢な環境を身近に
獲得出来た釣人はその幸運に感謝すべきだろう。流れを持つか否かは現代の
街に住む釣人達には難しい環境と言えるのだ。「鱒が棲める水質」か否か?
自分が住む街とその環境との距離感。釣人の幸福に強く切迫している問題だ。
パリ市は東西を森と隣接し、その両森に「市民の鱒池」を設けている街だ。
問題は水温が上がる夏場だが、東のバンセンヌ森グラベル池は鱒の夏越しが
適えられる低水温の湧水池。年を越え、鱒育つ身近な環境へと通う人がいる。

 

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