プラハ 「Before I die ... 」

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Before I die ...

Before I die ...

Before I die ...

Before I die ...

Before I die ...

公園の中、『 Before I die  ... 』の黒板掲示。後に『 I want to ___ 』が続く。
作品だろうか?黒板の下には、自由に書き込むチョーク入れがぶら下がっていた。

儚く短かった68年「プラハの春」は、89年「ビロード革命」にて遅すぎた春陽を
迎えた。民主化直後のプラハは、まだまだ揺れ動いていた。当時の翌年春 90年に
釣人は撮影スタッフと同行してプラハを訪れたのだが、まだ暗い町の商店街には、

ウィンドーに置かれたテレビに大勢人だかりがあった。厳しい越冬をソーセージと
パン、ジャガイモで耐え忍んで来た人々が多かった時代だった。パリへ戻る際に、
スタッフ多くが美術品を、特に絵画を買いあさって行った。持ち出し規制を逃れる
為に、プレゼントとの手紙を添え、有名画家の絵を破格値で買い帰った頃でもある。
金の値段すら、旧体制と新体制のグレー時代でもあり、国全体が激しく揺れながら、
市民全体で忍んだ時期だった。やがて、広場に手向けられた赤い蝋燭は減り始め、
街はどんどん明るくなった。遥か遠かった夢が、手探りで触れられる時代を迎える。
時代は人の一生より早く流れるのだろうか?残された人々は黒板に夢を書き込む。
秋雨で流される黒板に、今の夢が書き残されている。

 Before I die 「I want to fall in Love」,
 Before I die 「I want to live in U.S.A, lot of fun」,
 Before I die 「I want to kiss everybody」, ... 。

英語だけが読み取れた。三人はチョークを探ったが、一本も残されていなかった。
「何んて書こうとしたの?」互いに聞きながら、三人は冗談だけしか言えなかった。

 

プラハ 「秋靄の中で」

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秋靄の中で

秋靄の中で

秋靄の中で

秋靄の中で

秋靄の中で

ヴルタヴァ川は秋靄。カレル橋の景色も最高潮。橋脚の傍には釣人がいた。
明ける静けさの中、堰堤の川音が石橋に響いている。約束の秋靄に恵まれた。

久方振りの再会だった。思い出の石橋は、焼き付いた姿のまま、微笑んでくれた。
「あれからどうやって生きていたんだい?」問いただすカレル橋に釣人は俯いた。
「三人組でやって来たんだ」。今は仕事道具箱は抱えてない。釣人になったんだ。
指輪の裏側には 89' 相棒の名前が刻んである。釣人は、少年をそっと前へ押した。
「一緒に探究を続ける仲間だ」。時の流れの中で、「風の釣人」を目指している。
釣人が頭を掻いている間に、少年が叫んだ。「釣れたみたいだよ!大きいゾ!」。

釣人の日暮らしだが、季節の仕事を熟しながら、昔変わらず、パリで生きている。
 

プラハ 「カレル橋」

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カレル橋

カレル橋

カレル橋

カレル橋

カレル橋:着工1357年、 1402年完成の石橋には、15の美しいアーチがある。
プラハ観光の名所橋は、1841年まで旧市街と王宮を結ぶ唯一の石橋だった。

「ヴルダヴァ川は秋靄かな?」到着日は高温、翌早朝こそ、美しい橋を渡る時だ。
釣人はおぼろげな記憶で、かって見た美しい橋を思い出していた。朝靄がいいのだ。
夕景のライトアップに移ろう姿も美しいが、やはり、光は一つ。明ける光に朝靄だ。
釣人は少年に頷いた。温まった水に早朝の寒さが美しい秋靄を川一面に湧き上げる。
ふと、秋の休暇に恵まれた。秋靄を、最高に美しい橋を二人に見せてあげたかった。
朝食前にこの橋を渡ろう。パリを流れるセーヌと違い、橋傍に小さな堰堤がある。
「川音が聞こえるよ」少年が真っ先に聞き分けた。石橋には流れの音が響いている。
歩行者専用の石橋として時を越えて来た橋が、渡りきる迄に昔話を聞かせてくれる。
変わらぬ美しさが在った。仕事から解放された相棒は「自由だ !!」と両手を上げた。
相棒の思い立った小旅行。釣人は少年へ約束した。「きっと美しい秋靄が出る!」。
 

プラハ 「橋のある街」

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橋のある街

橋のある街

橋のある街

橋のある街

ヴルダヴァ川が旧市街と城下町を別ける。古都、石の街は尖塔の街でもある。
川で隔てる両岸はパリをも思わされるが、街中の川幅は遥かに広く 500m+を越す。

もし、定住の街を選べるなら、釣人は「橋のある街」で過ごすだろう。これに関して
少年もほぼ異存なしと思われる。散歩道の途中、川風に吹かれて、左岸へ、右岸へ、
渡り歩く夢が持てるからだ。欄干を渡る釣人と少年は、ひょっとして、散歩に出でた
犬の如し、しっぽ振りながら笑顔で歩いているだろう。この川は遥かドイツへ流れて
海に下る大河だ。釣人と少年はいつもより大きな川を眺めながら、ゆっくり渡った。

昼過ぎに出発したパリは珍しく暑さぶり返す高温だった。北緯から想像したプラハも
予想外の高温晴天。汗をかいたが、明朝の秋靄には大いに期待が持てた。雨続きで
心配した天候もプラハの歓迎に三人は感謝した。少年は久しぶりの脱出でご機嫌だ。
相棒と少年は初回プラハに欧州中央の古都を感じ、釣人は夕食のビールに期待した。

 

チェコ 「プラハ 2013 」

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チェコ「プラハ 2013 」

プラハ:人工 120万人。チェコ共和国首都(北緯 50度 02分、東経 14度 45分)。
68年「プラハの春」へワルシャワ条約機構軍侵攻。89年「ビロード革命」を生む。

パリ発、飛行約 1時間半プラハ国際空港ターミナル 2(シェンゲン協定国内)到着。
釣人は今回三度目のプラハ。縁に結ばれた古都だ。一回目は、 89年 11月 17日の
「ビロード革命」後翌春 90年。二回目は、 2年後の 92年だったと記憶している。
共に随分の時が経ていた。当時は入国が面倒であったが、今回はシェンゲン協定で
協定欧州圏、仏国からパスポート・ノーチェック、ことの他スムーズに入国出来た。
時代は変わった。まだ熱かった、「ビロード革命」を遂げた国に仕事道具箱を抱え、
降り立った記憶が再び込み上げて来た。プラハは、何故か縁に結ばれた感傷が残る。
当時は、まだ階段広場「ヴァーツラフ像」周囲一面に、おびただしい数の赤い蝋燭が
手向けられていた。68年「プラハの春」はワルシャワ条約軍侵攻により占領制圧。
翌年 1月、力に打ち砕かれた春へ、抗議した一人の学生「ヤン・バラフ」が、其の
像前にて焼身自殺を遂げた。灯された赤い蝋燭の数、今でも、心に焼き付いている。
再び訪れた際は、随分数が減っていた。時の流れが、釣人の心に切なく焼きついた。
三回目の訪問。明るい街が在った。釣人は少年、相棒と共に時の流れへ歩き出した。

 

留守番

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留守番

少年へ伝言
北の街プラハを歩きに行こう!飛行機切符はインターネット格安で購入済みだよ。
ヴルタヴァ川は秋靄、カレル橋の景色も美しい頃だろう。パリ発 1時間半程度の
フライトだが、チェコ入国時の為、パスポート、仏国滞在許可書だけは忘れずに!
二泊三日のカッパ、防寒着、パジャマで OK。相棒と向かえに行きます。 釣人拝

 

秋仕事

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秋仕事

季節がまたひとつ移ろうとしていた。パリの街にも秋の衣替えが始まる。
無駄のないプロの作業、手順や動きに足を止めた。街はいつも開かれた学校だ。

釣人と少年は街を歩く。手作業が行われていると、暫し足を止めて見入るのが常だ。
一人一人の動きや役割、無駄のないスムーズな流れが在る。長くやって来た人は、
作業着も似合って様になっているものだ。何時の間に?少年も眺める位置や「間」を
修得している。これは、技術を勉強させて貰う側のマナーとも言える「間」なのだ。
釣人に近づく際には、糸手側(竿手の反対)から ... 。仕掛けを見て距離を悟ろう。
見ている目的が旨く伝わると、上手なら悪戯ぽいウィンクで、何かを見せてくれる。
現場で学ぼう。街はいつも授業料いらない学校だ。二人は、散歩道で探究を続ける。

 

少年

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少年

僕等の時代はドロップハンドル流行りだった。変則ギアでは 15段が最高だった。
時代は、山用、競技用、電動、曲乗り、小型折りたたみなど、多様化を迎えた。

いつ頃からだろうか?少年が自転車に興味を抱き始めた。少年期の行動範囲にも
変化が訪れているのだろう。雨さえ降らなければ、これで街中を俊敏に移動出来る。
昼でも、夜でも、約束の場所にひとっ走りだ。パリは、そんな距離感の小さな街だ。
釣人も思い当たりが在った。そんなに遠くない昔、一人で屋根裏暮らしの頃だった。
少年は小型自転車を観察、折りたたみ時の実測を見積もっている。これなら自力で
屋根裏部屋へ持ち運び出来そうか?階段登降は少々辛いが、これで足に翼を得る。
都会生活の常だが、道に長時間停めておくと、鍵だけ残し見事に消えてしまうのだ。
都会には狼や錠前師も棲んでいる。お蔭様で、違法駐車の山は防げるのだが ...... 。
少年は、街の流れを自由に泳ぎ廻る夢を見た。いつか、旅への出発を予感させた。
釣人は、少年を見た。それは、ふと、過ぎし日、己への「帰還」を思い起こさせた。

 

河岸の釣人

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河岸の釣人

鱒川 は冬期川閉めとなったが、一般釣り 2級河川では一年中釣りが許されている。
秋が深まって来た。秋陽に誘われ、セーヌ河岸には餌釣りおじさん達が集まる。

釣エプロンでの出で立ち。作業着ぽい釣着に良く似合う揃いのエプロンまでされると
餌釣りのプロぽい雰囲気を醸している。少年が見つけ二人は河岸へ様子見に降りた。
のんびりと秋日を楽しんでいる様子で、釣果はなく、どうやらエプロンは餌替え時の
お手拭として愛用している感じだ。青年が傍でじっと眺めていた。セーヌはパリ中を
お堀の様にゆったり流れる。幸運に恵まれると、此処でも随分大物が上がる。秋日は
こんなのんびりした釣り風景が似合う。其の日の天候と体調に合わせた秋の釣りだ。

 

秋の絨毯

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秋の絨毯

街が色づいている。辺りが紅色に染まり始めると、残された夏の緑が健気だ。
蔦には四季緑葉で通すものと、秋冬に紅葉する二種類在る。季節が色を織りなす。

紅と緑のコントラストは少々キツイ。やがて霜が降り、木葉が黄色に朽ちて来ると
穏やかな色調に落ち着いて来る。その頃には、常緑樹の残り葉に吐く白息が映り、
紅色を欲しがる季節絵となる。やがて全ての色が消え始め、冬を迎える。街路樹は
落葉し、
枯れ枝の隙間に石の街が全貌を現す。暖炉の炎が心温めてくれる季節。
山では湿った落ち葉の下に、クルミの実が転がる頃だ。薄緑の厚実が朽ち剥げると
ミルクココア色の実が詰まったクルミ種が顔を出す。釣人と少年は、秋色を拾った。
四季は積り重なって行く。季節を縦糸に、秋色を横糸に、美しい絨毯を織りあげる。

 

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