水色の空

JUGEMテーマ:日記・一般

水色の空


水が澄み、清廉になると、餌や隠れ場さえ失った魚には棲み辛いだろうか?
酸素が稀薄になる標高の空を思い出す。意識が響き始める時、澄み切った水色。

其の色を見たのはチペットだった。昨年はビクーニャの棲む南アンデスで再会した。
意識が何故か芯に響き始める感覚の中で、寂しささえ過ぎる澄み切った水色だ。
釣人は『寂しさのない孤独』とは、自然が啓示する生きる事の尊厳さと受け止めた。
そんな空に輝く川の流れは見て来たつもりだ。澄み切る湖に鱒が棲んでいるそうだ。
インディオはどの様に湖鱒と付き合っているのだろうか?少年は水色の空を思った。


山の湖

JUGEMテーマ:日記・一般

山の湖 

ティティカカ湖:ペルー南部とボリビア西部に跨り、汽船航行可能世界最高所の湖。
標高 3,810m。山の湖には北米原産ニジマスやヨーロッパ原産ブラウンも棲む。

太陽神を崇拝し、独自の文化と秩序で大インカ帝国を築き繁栄した古代王国は、
極少数スペイン人征服者による謀略に堕ち、余りに一瞬のうちに空しく滅び去った。
以降殆どの金銀がヨーロッパへ持ち去られた歴史的事実は、其の本質を史実の中へ
語り継ぎ、書き残されるべきだろう。やがて村はコロニアルな街へ変えられて行く。
其れ等を含み、現在残された多くが観光客を集め、貴重な外貨紙幣を落としている。
歴史の複雑な定めなのかも知れない。釣人は其の国に跨るティティカカ湖の風景を
空想した。少年には西洋人が見逃したどんな素顔が其処に見出せるだろう?早朝に
帆を張って漕ぎ出すインディオの出漁風景を思った。空気の薄い山の湖で、鱒達は
どんな漣に生きるだろう?活路を湖に求めたインディオの生き様が原色で浮かんだ。


春の唄方(うたかた)

JUGEMテーマ:日記・一般

春の唄方(うたかた) 

『もぉー イイ かい?』山からやって来た小鳥に、春の様子を聞いてみた。
やがて、巣作りが始まる。雛鳥達が口開ける頃、春虫が飛び交う。

厳しかった冬を乗り越え、梢を渡る山鳥のフットワークにも明るさが戻った。
「山の様子はどうだい?」少年の質問に可愛らしい口笛が街の梢の中から
返って来た。昨日、釣人は春を迎える洗車作業を終えた。冬期間中の街は
道路に凍結防止剤が撒かれる為、車は塩被りで粉ぽい。もおソロソロ、春。
丁度良い冬塩落しのタイミングだろう。北半球では皆が春到来を数えている。


白髭

JUGEMテーマ:日記・一般

白髭 

鱒釣解禁も迎え、暖冬・冬雨は終わりか?と思われたが .. 、伏兵が現れる。
3/12の春雪は翌日も凍結を続け、街人や旅行者を寒さの中に足止めさせた。 

翌々日の3/14、やっと街が機能を取り戻し始めた。季節外れの思いも寄らぬ
積雪で、何時もなら感心させられるパリ市職員24時間体制路面凍結防止剤の
散布すら徹底されず、パリはすっかり凍結の街であった。少年と釣人は散塩で
やっと石畳を現した街を歩いた。ノートル=ダム大聖堂のガルグイユ(魔除け)
には雪名残りの氷柱が長かった。釣人は気温を見ながらインナーダウン(羽毛)
防寒テストを試みた。小雪混じりの冬風テストは、より確実な体感温度を伝えて
くれる。山の温度は一般的気温では感じられない。上空の白髭おじさんの如し。




旅仲間

JUGEMテーマ:日記・一般

旅仲間 

一緒に歩いた仲間達。「今回も宜しく!頑張ろう!」無理を頼める釣人流良品。
旅先で心細い時程、気の知れた長年の友に励まされる。共に、活路を見出そう。

若い頃、相棒から貰ったスイスアーミーナイフ。栓抜き螺旋部に超小型ネジ回しを
補充して仕込んで在る。小さな用具だが、メガネが緩んで外れた場合に、思いの外、
無くてはならない。OPINELナイフは、釣行時に何時の間にか釣人の懐に紛れ込み、
長年一緒にいる。たぶん「居心地良いのだろう」と、元の所有者から失敬している。
バンダナは趣味で、染め柄に凝った時期もあったが、現在はもっぱら 100円商品と
付き合っている。1枚は道で拾ったもの。此れも出会いの運命、洗い直して一緒に
いる。木綿ハンカチは実直な働き者。SMCシェラカップ。アメリカ自然保護団体が
配り、一躍有名になった。類似品が多いが、本物は、ステンレス製で底厚。直火にて
加熱出来る。目玉焼きも軽く熟し、小型フライパンとしても機能する。台形型構造は
何枚重ねてもがさばらない。釣人の旅仲間の中では、唯一のエリート育ちだ。まだ
若い熱情の頃、イチコロで購入した旧知の友だ。山旅用具を絞り込んで準備すると、
見事旧型良品オンパレード。少年や相棒とも仲良く付き合ってくれるイイ奴揃いだ。


山旅準備

JUGEMテーマ:日記・一般

山旅準備 

4月に計画しているペルー行きが近づいた。相棒と二人山旅、期間は 3週間+。
何時もになく周到な準備に取り掛かった。釣人流「Minimalist」の絞り込み。

「安全確保」を第一優先。山の村々を速く、軽く歩ける事を重要課題に準備する。
釣人は日本帰国時に少々超過した体重を 7Kg絞り落とした。リュック重さを含め、
移動時の全重量を減らす事。齢を考え、体力消耗エネルギー軽減は何より重要。
非攻撃的でセキュリティーに有効なのがホイッスルだ。今迄旅時で、数々の難を
此れで凌いで来た。小分け洗剤、干し紐、洗濯ピン、そして、忘れてならないのが
流しの水栓。洗剤の大倹約となる。難しい温度調節は、北海道高校時代に教えられ
実践スキーで学んだ薄手タオル作戦。出発時にシャツ下に仕込み、昼食時に湿った
タオルを外す。高級ゴアテックスでも叶わない防湿防寒が、気持ち良く改善される。
釣人体験をどこまで山旅に活用出来るだろう?少年に「ミニマリスト術」相談する。


青い春

JUGEMテーマ:日記・一般

青い春 

雛祭りの朝をパリは−1℃で迎えた。春めき若芽を膨らませた川柳がまだ寒そうだ。
冬なら過ごせる冷たい風も春近づくと躰に堪える。釣人は襟元を締め直して歩いた。

「まだ寒そうだよ」少年がやって来た。読みかけの本を閉じ、少年と街歩きに出る。
昨日、以前完成した竹竿のグリップに削り直しを加えた。気付かなかった事が見えた
からだ。面白いもので、釣人は月日と共に成長を続けているらしい。技術修得速度は
まだ人並ではない。でんでん虫、今も遅れて青い時を過ごしている。昨年5月相棒と
旅した南アンデスを、今年はペルー側から歩こうと計画している。今回は前回と比べ
セキュリティー面での情報収集が必要な山旅となるだろう。北半球は春を迎えるが、
南半球では秋へ向かう。少年は川開きを焦がれ、釣人は山旅の支度に取り掛かった。


残り香

JUGEMテーマ:日記・一般

残り香 

春一番の便りが届いた。今年は 3月 9日(土曜)フランス鱒釣解禁、川が開かれる。
暦は弥生(やよい)。まだ冷たい風も緩んで来る。春は、もう其処まで来ている。

竹竿にも春風を知らせてやろう。釣人と少年は、冬越しの釣竿へ手入れを始めた。
シルクラインと竹竿は、昨秋の川閉めから、長い冬の眠りを釣人に揺り起こされた。
冬の管理釣り場では、もっぱらシンセティックラインとカーボングラファイト竿の
お世話になる。厳しい環境下では近代的道具達が頼もしい。冬の眠りから目覚めた
シルクラインと竹竿が元気を取り戻す春が近い。二人は、竹竿を磨く。竿束の中から
亡き師匠の作った銘竿誕生の試作竿が顔を出した。釣人は使い込まれた竿布袋を
洗濯した。洗い晒しでさっぱりした亡き師匠竿布袋が気持ち良さそうだった。少年と
相談の上、洗い立ての竿布袋にアイロンは掛けなかった。おじさんの匂いが残った。
『 A l'attention de Mr.NOBUHIRO ONO en souvenir des excellents
  moments passes ensemble. Tres amicalement,         JM DUBOS 』 
展示会が近づいた或る日、亡き師匠が書添え残してくれた言葉に励まされたものだ。



calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2013 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recommend
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM