公園を歩くと目にする小さな「隠れ家」。「Hotel de charme」との看板付き。
どうやら野生蜂用の冬場の宿らしい。ミシェラン社にぜひ星を頂きたい佇まいだ。
管理者の温情か?生態系学者のアドバイスか?フランスの公園にはよく写真の様な
小ぶりの祠小屋を目にする。玄関正面に掲げられた看板には「快適ホテル」などと、
なかなかの宣伝ぶりがユーモアと情熱を感じさせてくれて微笑ましい。内部の構造は
決して飾り物ではなく、専門学者の知識が組み込まれ、冬場を凌げる実用スタイルで
あり、子供達の自然科学教育にも役立っている。釣人と少年は立ち止り、じっくりと
泊まり心地を検証した。自然界で強者が弱者と接する時、果たして互いを譲り合い、
助け合う事は何処まで実際に可能なのだろうか?二人は冬空に幼鱒の鼓動を思った。