ティンセル

JUGEMテーマ:日記・一般

ティンセル 

Tinsel:ぴかぴか光る金属片、糸、細帯。毛鉤ではリブ、ボディ、タグに使用する。
プラスティック製のものもあるが、鮭鉤には金属製の上質のものが良く似合う。

毛鉤の材料にはフラットティンセル、エンボストティンセル、オーバルティンセル、
ラウンドスレッドティンセル、レイスツイストティンセル、ワイヤーティンセル が
使われて来た。その他に自作の物なども含めると数は知れないだろう。毛鉤巻を
志す者であれば、最低限、上記の本物を実際に手にして確認しておこう。そして
何時か、其れを一部に使うに至った先達の志や欲求に触れ合って見たいものだ。
虫や生物、或いは正体不明の生命体を表現しようとした際、どうしても必要となる
命の輝きというものだろうか?安易に使用し過ぎると存在がふやけてしまいがちな
ナチュラル素材をピリッ!と引き締めてくれるものか?このキラメキは、魚以上に
釣人を捉える。隠された奥の部分で使われるもの程、釣人の期待を裏切らない。


お彼岸

JUGEMテーマ:日記・一般

お彼岸 

春と秋のお彼岸の頃を境に鱒川が開き、閉じられるのは古の縁だろうか?
窓に夏蠅が停まっていた。秋は少し寒いが、窓外の彼岸へと放してやった。

毛鉤釣りを始め、自分の中に流れと正対する時間が随分増えて来た。此方の岸と
あちらの岸を別けて中央を清流が流れている。釣人の一生も『大河の一滴』の如く、
其の流れの環に在りたいものだと感じている。子供の頃、「お彼岸」には虫捕りは
しない事と教えられた。虫捕り少年は獲った夏の残蝉を空へ逃がしてやった記憶が
残っている。窓に停まった夏蠅を彼岸へと放してやった。秋の空はもう寒かろう。
自由な空へ、蠅は飛び出して行った。釣人は少年に『フライマン、直訳すると蠅男』
とダジャレを詠んだ。古の縁、一刻を共に過ごす者同士、此岸と彼岸を見詰め合う。


流れの中へ

JUGEMテーマ:日記・一般

流れの中へ 

本日、川閉め日。パリの空に秋陽が照る。晩夏を引きずりながら秋が訪れる。
釣人と少年はパリで左岸を歩いている。春迄の別れ、流れの中に心を浸そう。

釣り心に走り通った時があった。ピカピカの竿を握り締め流れに立った時があった。
毛鉤箱の中身を見詰めて苦悩した時があった。思わず川辺を走り回った日があった。
幾年もの歳月の中で釣人は成長しているだろうか?少年時代の思い出からだろうか?
何歳になっても釣場でカッコ良い釣人のお兄さんを探している。其の魚を釣る方法を
教えてくれた。釣人は心に自分の流れを探し続けるものだ。来春を待ちながら ... 。


釣人の居場所

JUGEMテーマ:日記・一般

釣人の居場所 

この週末は過ごすべき場所があったのだが .. 。釣人と少年はパリ左岸 6区にいた。
小用が発生して、川閉めの日を街中で留まった。来週から、そして来年の春迄。

例年より早目の秋支度に励んで来たつもりであったが、生活の為の小用が舞い込み、
川閉め前の最終日をパリ左岸の街中で過ごす事となった。「悪かったなァ .. 。」
釣人は少年に頭を掻いた。川の流れを見送りながら、右手側が「右岸」、左手側が
「左岸」である。今期は適わなかったセーヌ上流域への川閉め釣行を、二人は流れを
見送りながら佇んでいる。「川が閉まっても、管理釣り場があるネ!」少年の言葉に
力を貰い、二人の釣り心はシッポのハートで結ばれる。さぁ、もうひと踏ん張りだ。


葉落ちる前に

JUGEMテーマ:日記・一般

葉落ちる前に 

夏葉に緑がまだ残っている。散り落ちる前に緑を見ながらの昼食がいい!
テラスで初秋の胃袋を満たす。秋風に美味しそうな香りが漂って来る。

冬眠場所を探すにはまだ時間がある。空も高くなり、食欲良好の釣人と少年を前に
テラスの食卓が呼び声を掛ける。気持ち良い秋風、まだ残る緑の夏葉を感じながら
野外に準備された食卓はこの季節にピッタリだろう。濃く染まる前の木の葉色には
緑の繊細な香りが残り、これから出て来る料理の味を引き立ててくれる。そろそろ
山の動物達も冬に備えて滋養をつけている頃だろう。この時期はダイエット健康法
を忘れ「頂きます!」と決め込む。優しくなった陽射しが美しい色を見せてくれる。


秋の兆し

JUGEMテーマ:日記・一般

秋の兆し 

紅葉にはまだまだ早く、セーターを抜ける秋風が気持ち良い季節。
夏の日焼けが多少の寒さぐらいは吹き飛ばしてくれる。秋酣へ向かう。

高緯度の国では夏の陽射しを体に蓄え冬へ備える。充分に太陽を浴びたかい?
Tシャツ 1枚の夏は過ぎ去ってしまったが、体の芯にはまだ暖かさが残っている。
体を抜ける秋風が心地良い。樹々は夏枯れから落葉を始めたが、紅葉にはまだ
少し早い季節だ。数日後の九月半ばに鱒川が閉まり、来年春迄の冬期禁漁期を
迎える。夏の陽射しに一皮剥けた少年と一仕事終えた釣人も、気分を変えて冬を
迎える整理仕事に励んでいる。気持ち良い秋風に温かいカフェオレが旨い季節だ。


修復から

JUGEMテーマ:日記・一般

修復から 

釣人は修復の作業から何を期待出来るだろうか?
完成へ至った先人の工程を辿りながら、新作への夢を馳せる。

鮭鉤は別として、鱒鉤を巻く際は練習兼ねて常に多過ぎる程に毛鉤を巻いてしまう。
指が正確に動作を繰り返し始める頃、実釣で使う新作毛鉤が誕生する。そんな訳で
未使用の毛鉤が随分と残ってしまう。幾つかの毛鉤は変えるべき所を感じないまま
数少ないオリジナル完成鉤として毛鉤箱に居場所を確保される。毛鉤箱の中身は
昔から「釣人の履歴書」などと言われて来た。其の毛鉤に至る迄の釣人の経過や
熟練の指使いが形になり現れているからだ。絵描きの其れと似ていると言われるが、
熱情での完成後から然程時間を経ずに次作への思いが馳せるものだ。巻き終えた
毛鉤を使い果たす以前に、改良すべき箇所や省略したい過剰部分に気付き始める。
針の浪費を反省しつつ、巻き解いて針に戻したり、修復や改良を加えて巻後処理を
工夫する。伸び盛りの少年は、好機到来「使わない完成毛鉤を頂戴!」と舌を出す。
巻き解いては何かを発見し、改良を加えて検証の肥やしとする。釣人は巻糸一本の
毛鉤を心掛けている。仕上げ最後の結びを解き、逆順で解いて行くと、巻き留めた
全てのマテリアルを落しながら裸の釣針に至る「毛鉤」だ。少年がまだブキッチョな
指で毛鉤の結びを糸解く。全てのマテリアルが逆順に解け落ちて釣針のみが残る。
その過程の中に、少年は釣人を読み取る事だろう。修復は、創作の芽を育てて行く。



夏の残照

JUGEMテーマ:日記・一般
 
夏の残照

釣本の整理をしながら目を通す。ほったらかしの釣りDVDを少年と見直した。
思いの外、毛鉤釣り以外の釣法には新鮮なヒントや奥義が隠されている。

夏休みが終わり秋が始まる。夏が冬へ向かって動き出し、束の間のひと時を
秋風が運んで来る。今夏は十分に伸びる事が出来ただろうか?街はすっかり
日焼した人々が戻って来た。釣人は、キャスティング練習場所を訪れた。まだ
夏人がいっぱいだ。八百屋でスイカを買って、久しぶりに少年の屋根裏部屋を
訪ねて見た。少年は狭い部屋いっぱい鳥羽根を拡げ、バイス(毛鉤固定台)に
向かっていた。随分大きな毛鉤を巻き溜めている様だ。「少し大きめの魚用」
日焼けした笑顔に白い歯を輝かせた。釣人は久しぶりに毛鉤を巻きたくなった。


calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2012 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recommend
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM