ウオーム・アップ

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ウオーム・アップ 

日射しや気温は春へ向かっている。冬に固まった筋肉ほぐしから始める。
香りはまだ南風に運んで貰っているが、春はもう其処まで近づいている。

冬を耐えた野生動物が動き始めた。釣人と少年もウォーミング・アップを開始する。
例年と同じ春の訪れに感謝しなければならない。母国の惨事では、解禁前に採取した
ヤマメから基準値を超えるセシウムが検出されるなどで、3月 1日に解禁予定された
川の関係各漁協へ、解禁延期の要請が出されている川があるらしい。伴う風評被害は
避けねばならず、正しい情報収集に努めたい。『沈黙の春』、その原因を犯している
張本人が、同じ地球住人の我々人間である。弁解の余地なく、言葉を失ってしまう。
長い冬を耐える事を忘れた者に、暖かい春の歓びは少しずつ遠退いてしまうのでは?
釣人と少年は、どちらサイドに位置しなければならないか?春の歓びを享受したい。


もう いいかい?


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もう いいかい? 

冬眠明けの体慣らしから始める。釣人と少年は、一足早く春を探しに森を歩いた。
まだネコヤナギの様に膨らんでいるが、梢の上から春の歓びを聞かせてくれた。

高校時代の札幌の後輩から 2012東京マラソン出場の為、上京と連絡を貰った。
サッカー部活動で頑張っていたが、その後、真面目にスポーツと向き合っている
数少ない友人の一人だ。自分も、もう一頑張りせねばと、少年と一足早い春探しに
パリ東隣バンセンヌ森へ出向く。冬を越えた野性の小鳥や水鳥が、早春の囀りで、
出迎えてくれた。時折の北風はまだ冷たいが、野性の息吹きに春近しが聞こえる。


春待ち

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春待ち 

寒気団が過ぎ去り、街の空気は少し温んで来た。春うららには、まだ肌寒い。
樹の上枝では潜り名人の河鵜が、セーヌの温み始めを首伸ばして伺っている。

街が温まり、やがて時を待って水が温む。北西の風には厳しかった寒さが残り、
時々の南風に春の匂いを嗅ぐ。潜り名人の河鵜達は、まだ樹の上枝から水の
温みを伺っている。暖かい日には鳥達も空高く飛び始めた。樹々の梢も気持ち
頭を空へ向け始めた。「まだまだご用心!」経験を積んだ年配組は、ゆっくりと
腰を上げる。釣人と少年は、釣具箱の大掃除に取り掛かった。背伸び春一番。


ラブレター

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ラブレター 

寒さ緩み、小雨。2012年春釣具展示会がバンセンヌ森「花の公園」で開かれた。
釣人と少年は、ポケットに各自極秘マネー、急ぎ、入場券を買ったが ... 。

会場の雰囲気が最近少し変わって来た。まず、肌で感じる全体の印象だ。従来の
自然色が減り、ゲームソフトコーナーの様な目立つ色彩が多くを占め始めている。
「釣具はどうだろう?」やはり最新型殺戮兵器の様な顔ぶれに占められていないか?
釣人は、どうも馴染めない新型釣具の「面構え」に、一抹の寂しさを感じている。
少年は、二年ぶりに再会適った老人の前に陣取り、相変わらず巻き技を見詰めた。
老人と釣人と少年は、胸のラブレターを、心のポケットの奥にそっと仕舞い直した。


軋む寒さ

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軋む寒さ 

やっと緩みを見せ始めた寒さだが、ボディーブローの様に、堪えて来た。
歌手 Whitney HUSTON さんの突然の訃報が、冬の寒空に心を軋ませる。

ローマを発った翌日から極寒がヨーロッパを覆った。昨年から穏やか過ぎた暖冬は
急変、厳しい寒さが続いている。暖かかったローマに28年ぶりの積雪があったとの
ニュースをパリ帰宅後に知った。外を歩くと心臓が軋む寒さだ。釣人は自分の年齢を
感じた。64年東京オリンピックの前年、歌手Whitney HUSTON さんは生まれた。
幼年から歌い始める。余りにも恵まれた才能、彼女の訃報は釣人の心をへこませた。
一人で車に乗り、彼女を聞く。パリの街中を走った。「桂 銀淑さん/すずめの涙」を
空の彼女に捧げる。報道賑やかな特集が悲しく、 心治める静かな送り火としたい。


歌姫

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歌姫 

寒気団に覆われた早朝、歌手ホイットニー・ヒューストンの訃報が届いた。
インターネット・ニュースで知り、少年は真っ先に、釣人へ知らせに走った。

「ホイットニー・ヒューストン、あの”ガードマン”の .. 、亡くなったよ」少年は
釣人とドライブ中に良く聞いて覚えた黒人歌手の名前を、釣人へ告げた。突然の
ニュースだった様だ。素晴らしい声帯、質の良い腹筋と肺活量、愛される美貌。
極上の幅ある音域で、無理もなく歌い熟す才能は、歌手であった母親から譲り
受けたものだろうか?11才から歌い始めた彼女の努力の賜だったのだろうか?
本当の友達に巡り合えただろうか?孤独な時、不安な時に、傍で見守ってくれる
友人を持っていただろうか?喝采と光を否応なく浴びたスターが、サラブレッドが、
一人ホテルの部屋で亡くなって逝った。釣人と少年、夢を受けた世界中の友が、
今あなたが歌った節を口ずさんでいる。もう、自分の道を、歩んで行って下さい。


キングの幻影

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キングの幻影 

ローマを後にする。浅い居眠り中、相棒に起こされた。モンブランが ... 、過ぎた!
既にカメラフレーム外に見えた。糸を引き出しながら、キングの背鰭が消えて行く。

何回かアルプス上空を行き来しているが、今回のモンブラン山頂は、格別だった。
青空へ突き出した頂は、海で掛けたキングサーモンの背鰭の如く、悠々と糸を引き
出しながら、遥か沖合へと遠退いて行った。釣人は山々の頂に、シアトルの海釣り、
キングサーモン(太平洋鮭)のムーチング釣りを思い出していた。海の鮭釣りは引き
が強い。浅層で掛かるのがシルバー、深場に餌針が届いて掛かるとキングになる。
シルバーは海面へ浮上すると跳ね回るが、キングは海面へ浮き上がっても悠々と
背鰭を空中へ晒して力強く沖へ向かう。たっぷり巻き溜めたモノフィラメント釣糸に
ステンレス・ベアリング入りの撚戻し、頑強な鮭針、リール、柔らかめで腰の強い竿
が有れば良い。陸にカーレン(潮流)が寄る釣橋から、錘なしのフカセで狙う釣方が
釣人の好みだった。小舟も不必要なのだ。アトランティックサーモン(大西洋鮭)の
川での毛鉤釣り同様、シンプルな程興味深い。写真に納める事は適わなかったが、
機内窓には、寝惚け眼の釣人を遥か遠く沖合へ引きずるモンブラン山頂が見えた。


神々の夜

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神々の夜 

旅の風に吹かれ、暫し「からっぽな頭と心」で放浪気分を満喫する。
今晩の石像は遥か彼方のお月さんと何を語り合っているのだろう?

柔らかい茹蛸、パスタにワインを平らげ、ご機嫌な帰り道、お月さんは白い半月。
広場では大きな石像が、今晩も真剣な表情でお月さんに声を掛ける。「悠久の時、
人生は流れ星の如しか?」釣人は久しぶりに相棒の掌を引いた。少年もパリにて
同じお月さんを眺めているだろうか?「いい風が吹くなァ .. 旅に出よう!」きっと
遥かお月さんにも届いただろう。ローマの夜は、神々の声がを聞こえて来る様だ。


絵画と織物

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絵画 

織物

無照明、手持ちフレームの素人撮影。序でに、美術史と芸術評論もご容赦下さい。
少年と共に語り合いたい衝動に駆られ、名作 2枚を写真に引かせて貰った。

損傷防止の為、光の少ない写真で申し訳ない。ご覧の通り、絵画と織物の写真です。
同じ下絵を元に描かれているので、雌狼の前腕傍にいる小蟹まで全て同じ描写です。
絵画の絵具、織物の染料の違いによる発色、退色の違いは除外し、其々を鑑賞する。
釣人は、この素材の違う二つの表現に、空中と水中の世界の様な空想を抱いて見た。
筆のタッチで描かれた絵画と職人の手仕事で織り込まれた織物。「雌狼の毛質感は?
植物の生き生きさは?筋肉の質感は?」釣人は少年と一早く検証してみたくなった。
茫然と鑑賞に浸りながら、釣人は何処かに、「毛鉤は織物に近し?」と感じていた。


旨みの色

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旨みの色 

イタリアの旨みは、色合いと共に在り。目で楽しみ、舌で味わい、胃袋へ収める。
種類豊富なオリーブ漬けだが、この爽やかで新鮮な色合いは、癖になってしまう。

イタリアでの食味に関しては「見るからに .. 」の期待を裏切られた経験は少ない。
余りにも爽やかな色合いに釣られ、口へ運んで以来、すっかり癖になってしまった。
一噛みで口に広がるジューシーな爽やかさ、釣人と相棒、二人揃って舌鼓を打つ。
パリで待つ少年の顔が浮かび、少々余分に買い込んだ。此の食感は、野生鱒にも
通じるものかどうか?捕食されるカゲロウは短い鮮やか色で空へ飛翔し、水面へと
落ちて産卵後、命閉じる。絶命後、色はみるみる枯れ葉色へと変色する。短い命を
色と共に過ごしたのだろう。このオリーブの鮮色と同様、美しい色は退色して行く。


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