夏の波紋

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夏の波紋 

釣人は少年と左岸を歩いた。夏休みの大学、閉められた扉に「波紋」が犇めいていた。
幾重にも次々と輪を描き、微かな揺れが水面に波を作る。魚達の夕食が始まった様だ。

カディス(Caddis:水生昆虫、毛翅目トビケラの釣人仲間の呼び名)の羽化が始まると水面は騒がしくなる。カゲロウの静かな羽化や音無しの流下とは一味違う、カディスの機敏な動きに誘発されるからだ。夏夜の鱒の夕食状態だ。気泡を孕(はら)み、脱皮後、水鳥の滑走如きに流れを岸へ目指すカディス。押さえ込む様に、追い駆ける様に、野生鱒が空腹を満たす。それは、静まり返った学校に鳴り響くチャイムの様に、突然、水中から水表へと現れて来る。「その時を知らせる鍵は何だろう?」釣人は、少年に質問した。「川底の温度かな?日中の気温かな? ... 」。魚達の食事時間、「夕まずめ」はやがて夏と共に「朝まずめ」へ移行する。此処ら辺に、重要ヒントが隠されていそうだよ!少年は、気温と水温計を注意深く見詰めた。


釣人の祠(ほこら)

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釣人の祠(ほこら) 

『太陽と風と 1本の竿、 ... 』。街中に住むことを決意して以降、時折思い出す言葉だ。
自宅内装工事と奮闘しながら、釣人が描く夢の構想。「人生に一片を取り込めるか?」

亡き師匠の友人、お世話になった柴野氏は著書に、『生きている間に生のよろこびを味えるのは幸運だ。そのために必要なものといってもたいしていりはしない。太陽と風と 1本の竿、そして生きていることの根元的な不安に打ち勝つだけのちょっとした勇気、あるいは何も考えないでいられるだけの素朴さといったものだ。 ... 』と書き留めている。夏仕事で萎えそうになった時、励みを貰っている言葉だ。一服の気分転換、散歩時に一枚の写真が目に留まった。


一瞬の夏

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一瞬の夏 

今夏のパリは過ごし易いが、寒ささえ感じられる。八月の夏枯れが一足早く始まった。
南仏では太陽真っ盛り。パリの木樹は、高緯度の移り変わりをより早く感じ始めている。

もう一つ、二つ、真夏の光と影を見たいものだ。今夏、パリを照らす太陽はどうも心許無い。渓流は夕時の太陽をキラキラと反射している頃だろうか?何時もであれば、ゆっくり静かなパリを楽しむ夏休み頃だが、これだけ涼しいとやはり心細くなる。「夏の間に、虹の向こうへ行かなくっちゃ!」釣人が少年に一言零(こぼ)した。少年は目を丸くして頷くが、まだまだ、夏仕事は、山積みの状態だ。影が長くなる前に、終えねばならない仕事が沢山残っている。釣人は一泊でも夏川へ向かおうと知恵を絞った。「もう一頑張り!」。二人は太陽へ叫んだ。



書斎の木馬

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書斎の木馬 

パリ南近郊にある Milly-la-Foret村、亡き詩人「 Jean Cocteau 」自邸を訪れた。
ジャン・コクトー(1889 - 1963 )。多彩な感性に恵まれ、「詩人」と呼ばれる事を好んだ。

夏休みの一服。友の詩人と共に少年、相棒と気分転換の日帰りドライブ。のんびり走ろうと近郊のミイ・ラ・フォレ村を訪れた。フランスでの彼の評価は非常に高い。その多くはいまだに若者に引き継がれているのが象徴的だ。芸術家、詩人、小説家、劇作家、評論家、画家、映画監督、脚本家としてその稀な感性を発揮したが、彼自身は「詩人」と呼ばれる事を好んだと言われている。彼が過ごした自邸、書斎の窓からは羨ましい限りの野趣に富んだ素晴らしい庭が見えた。庭は、その奥の森へ続がっている。書斎椅子の左手脇に黒い瞳の木馬が残されていた。詩人は庭に目を休め、傍に木馬を感じたのだろうか?少年は、森を駆けた。


なでしこ JAPAN !ありがとう!!

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ありがとう!なでしこ JAPAN!! 

なでしこ選手、チームの皆さん、監督、夢を引き起こす力を見せて頂きました。
「ありがとう!」。そして、「おめでとう!」。釣人と少年は、走りだしたくなる感動を貰った。



夏休みシンドローム

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夏休みシンドローム 

街人が少なくなり、車の往来も減り始めた。パリでは静かな夏のひと時が始まる。
休憩を挿みながら、久しぶりにのんびりと手仕事。気分転換は、夏休みの散歩に限る。

朝コーヒーを飲みながらインターネットニュースに目を通す。『今日がきのうと変わらず、明日が今日と変わらない「万年リズム」のありがたさが身にしみる震災後である。 ... 』読売新聞(2011年 7月 16日)の編集手帳の一行が目に付いた。癖を身に付けてはまずいが、いつもよりのんびりと手仕事を熟すには夏休みは持って来いだ。仕事合間に少年と毛鉤を巻いた。何も変わらない、いつもの毛鉤を、只、いつもの倍の時間で、ゆっくりと味わって巻いてみた。


「夏とんぼ」 - DRAGONFLY

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夏とんぼ - dragonfly 

昨日7月 14日、パリ祭(革命記念日)。軍用機が恒例のパリ上空パレード飛行を行った。
シャンゼリーゼでは軍隊行進が行われ、見物しない人も、飛行音が響くと夏空を見上げる。

前夜からお祭り騒ぎが始まり、深夜の街に時々の爆竹音も響き渡る。散歩好きな犬型系の釣人は、この爆竹音は少々苦手である。朝からテレビ各社は軍人の晴れ晴れとした容姿をアップで映し出している。大統領や要職者、国賓の方々がコンコルド広場特設式場で行進を出迎える。人間の社会は、それ自体に様々な規律や儀式を余儀なくされるものなのだろう。釣人と少年が見上げると、恒例の夏始め、「夏とんぼ」が今年もパリの上空を飛んで行った。


暑中お見舞い申し上げます。

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暑中お見舞い 

ユーラシア大陸、日本より高緯度のパリでは、今の処、気持ち良い初夏が続いている。
バカンスシーズンの夏を過ごす。パリジャンも少しずつ発ち、街は静かになり始めた。

今夏のパリは過ごし易く続いている。酸欠に弱い釣人も家で元気に夏仕事を消化している。川風の恋しい時間が経過する。日本からは、梅雨明け同時に、猛暑到来のニュースが届く。空気より高密度の水中では、温度上昇はかなり堪える事だろう。夏は、サラサラ〜と流れる瀬が新鮮な酸素も多く、気持ち良さそうに推測される。今朝は涼しい。金魚の動きも活発だ。釣人と少年も朝の気を吸い込んだ。この色、この動き。野生鱒と二人にはかなり刺激的だ。


夏の展示会

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夏の展示会

DES FORETS ET DES HOMMES:www.goodplanet.org/forets
街中に森を持ち込んだ写真展「森と人」が Pl. du Palais Royal の広場で開かれている。

夏仕事、自宅工事で籠る釣人を少年が誘いに来た。「パレロイヤルの広場が面白いヨ!」丁度、煮詰まっていた所。仕事着を替えて、散歩に出た。気温は暑いが、低湿度の初夏の気候が心地良い。広場には大きな生木が三本に組まれて、所狭しと並んでいる。「街に森が持ち込まれている」。シンプルで強いコンセプトに二人はすっかり脱帽した。外雨にも強い素材紙の写真展示は斬新だった。ひと時の夏の休息、ありがとう!少年に感謝した。



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