JUGEMテーマ:日記・一般
立春を待ち、春はまだ遥か彼方だ。高緯度のパリは、灰色の冬が覆っている。
ユーラシア大陸、瞳が冬空を映すと、釣人はオオカミの遠吠えの様に春を偲ぶ。
空が暗く映り、冬空の下、灰色の瞳が深みを増す。真夏の陽射しに藍色を極める海の様に、瞳にも空の色は映るものだ。厳しい冬を耐える地域に「灰色の瞳」が多いことは興味深い。恰も、瞳が「映すもの」を取り込んでいるが如しに思えるのだ。釣人と少年の瞳の奥底には、一体何が映っているのだろう?釣人は亡父とたった一回行った丸石の川原、少年は膝上で聞いたおじいさんの「鮭釣りはいいぞォ〜」を思った。幻の大物は、遥か彼方を泳いでいた。