メリークリスマス

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メリークリスマス 

初めての川靴は星屑とピアスが付いていた。星の数程、願いを込めて ... メリークリスマス!
寒気団迫る高緯度の北国に祝日が訪れる。釣人は心の中に、静かな釣糸を垂れていた。

河童達は少年少女へと育ち、釣人は一つ歳を老う。用具はヘビー・デューティーである事が何よりも大切であった筈、何時の間にか自分と一緒に傷んでしまう弱い物も好きになった。歳と共に親心備わって来たのか?出来の悪い程、気に掛けてしまう事がある。素性が良く夢があれば、鬼程頑強でなくてもいいんじゃないだろうか?お相手願う相手も生身なのだ。袖触れ合い、寿命強弱に関わらず共に過ごす。心和み、夢持つ物が愛しく感じられて来た。


セーヌ 増水

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セーヌ 増水 

降り続いた雪は寒さが緩むと解け始めた。セーヌには例年より早い増水が始まっている。
去るトラの尾を掴む年の瀬の雪だった。新春の冷え込み迄、ゆっくりと降り続いて欲しい。

森が沢山水を蓄えてくれる事は、釣人の希望だ。「急ぐ事はない。出来るだけ山に留まり、ゆっくりと時間を掛けて谷川へ下ってくれれば良いのだが ... 。その水には、しっかり故郷の香りが染み込んでいる。急ぎ仕事が何かを忘れている様に、濁流も海への旅を空しくする。海では故郷の香りを懐かしく嗅ぎ分ける魚が待っている。やがて時期が来ると、その魚達は昂ぶりを抑え切れず、最初で最後の遡上へ、その流れを上って行く。雪はゆっくり解けた方が良い。釣人と少年は、山の落葉に積もる雪が故郷の香りを蓄えてくれる事を思っていた。


コッパー・スカイ

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コッパー・スカイ 

冬至が近づいている。高緯度のパリが日照時間の Uターン地点へと向かっている。
銅色の空がムンクの「叫び」の如く、北国の冬に何かを主張しようとしているかの様だ。

「迷った時は空色の毛鉤を使え!」、釣人達の金言の一つである。高緯度の北国に住まねば縁の無かった空色だ。大袈裟に言わせて貰えば、『この世に生まれ、巡り合う奇跡』とも言える空色だ。釣人は少年に空を指差した。昔買い込んだコッパーワイヤーをダビングの押さに使ってみた。この毛鉤が完成する頃、北国の太陽は畳の網目を数える様に、春の陽射しへと向かって行く。釣人と少年は、もう一度、空を眺めた。冬陽の主張を毛鉤に忍ばせる。


純白毛鉤

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純白毛鉤 

毛鉤は何処まで純白が許されるか?魚様々、釣人其々。信じて夢見る「伝説の大物」。
雪降る日、純クリスタル・ウォーターの管理釣場に、雪女を追う釣人がやって来るという。

隠れ家「Dragon」の最新型暖房機に釣人と少年はへそくり大半を注ぎ込んだ。雪降る窓を眺めながらポカポカで毛鉤が巻ける。年の瀬に若干寒さが堪える釣人へ少年の気配りだ。釣人のポカポカ提案に、お互い一年掛りのへそくりを正直に放出。これで、「寒中に白が考えられる」。釣人は極上「白熊の毛」を少年に献上した。ありがとう。「やや乳色だが、僕が持つ極上の純白品だよ」。この純白毛鉤に許されるのはシルキーな純黒、ポイントを担う微かな紅色だろうか?少年は「雪日の伝説」を思った。背伸びをすると、極上「雪女」を巻き始めた。


パリ 雪化粧

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パリ 雪化粧 

昨日、パリは雪化粧。何時もの見慣れた街が、別人の顔を見せてくれた。
やがて消え行く一瞬の美、輝きの主張。「しっかり見届けたヨ!」美しいパリ。

一時帰国からパリに戻ったが、まだ体内時計は、日本の居心地を覚えている。パリの陽光に体を晒し、冷気の街歩きで回復を図っている。まだ寝ぼけた感性に突然眩しい雪化粧が現れた。君は壮絶に美しく、飛行機やユーロスターの動きをも封じた。雪女の実力ぶりを見せてくれた。静かな一刻をありがとう。山の木樹を暖かく包んでくれたんだね。一言も語らず去って行く輝き、パリ 雪化粧。釣人は時計ネジをしっかり巻き直し、久しぶりに深紅のワインで乾杯を捧げた。


冬の大砲

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冬の大砲 

寒さが続いている。三寒四温を繰り返しながら、冬将軍の到着に準備整えている様だ。
移る季節に隊列も崩さず、昔の武勇伝を今日も思い浮かべているのだろうか?

分厚い青銅で、存分に造られている。若い時分はさぞかし「ドッカーン!」と途方もない轟で敵方を震え上がらせただろうが、今は門前のお守り役だ。「寒さ厳しいけど大丈夫かい?」。時差ボケで緩んだ体時計をリセット!冷気浴散歩に出で発った。老いた大砲が並んでいる。釣人の頭に小学校の国語教科書で読んだ「幸福な王子」が何故か浮かんだ。青銅にうずくまる燕の姿はなかった。「来年暖かくなったらまた来るヨ!」釣人は物語あらすじを変えてしまた様だ。


風の構築

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風の構築 

日本の風に吹かれて来た。ひとりノマド(遊牧民)の様、年一度の定期便からパリ帰宅。
Paris→Munick→成田→長野→愛知→長野→東京→京都→大阪→Frankfurt→Paris。

成田から長野山風へ。愛知の湯煙。東京浅草の意気一献、銀座の柳、青山の優しい一刻。京都は紅葉で迎えてくれた。八年ぶりの稀色との事、永観堂禅林寺夜モミジ・ライトアップは夢絵の如しだった。月一回の天神様、骨董露店に恵まれた。探していた「竹製の鬼おろし」、見っけ物!。これで辛くない美味な大根おろしを堪能出来る。今出川通り七本松西入りから北野天満宮東門に至る上七軒は以前からお気に入り。自慢の「釣人の散歩道」を舞妓さんが音もなく軒に消えて行く。白提灯に印された鮮やか朱点が、釣人の心を静かにくすぐる。感じた風を心に残したい。夢を託し、釣人は最新機の構築からスタート地点を踏みしめた。



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