JUGEMテーマ:日記・一般
『 金色の 小さき鳥の 形して 銀杏散るなり 夕日の丘に 』 与謝野晶子
風に厳しさが忍び込む。石造りの街、時折の陽射に樹々の黄葉が輝いてくれる。
ユネスコ世界遺産指定に守られ、セーヌ河岸の風景は永遠に残される。学生時代に歩いた川辺の風景が何時迄も生きてくれる事に感謝している。変わらぬ風景を季節が折々の色に染め上げて行く。雲の形が変わる度に、陽光が一瞬の変化を誕生させる。そんな一刻の中、Carrousel 橋下流に在った少年お気に入りの「右岸の大樹」は、樹齢を全うし、切倒された。座り心地良かった太い根だけは切株で残っているが、少年は別れを悟った様だ。想い出や美しい風景は心底にきっと残しておこう。釣人は少年の肩をそっと叩き、左岸へ橋を渡った。