蛍光色は良く目立つので、今迄の赤色に変り、日常的に目にする機会が増えて来た。
発色の良い特性やその効果が、目的に合わせて色分けされ、巧く利用されている。
釣具の歴史では、昔から一般の浮きや目印に既に使われて来た蛍光色だが、毛鉤釣りには「見慣れない色」として余り使われていない。スタイル全体や用具の様式が、かなり高いレベルで長い歴史と共に完成されて来た経緯があり、発想時に習慣的な制約が働いているのかも知れない。正統を学び、それを実感するに至るにも、かなりの努力や探求心が必要となる。時代を経て来た様式は、既にテスト済みの要素が殆どで、新しい発見や効果にはそう簡単に恵まれない。散歩道の道すがら、先生に引率される子供達と出くわした。旨く色分けされた蛍光色だった。「小さくても目だつんだネ」少年が釣人に言った。「小さなポイントだからこそ、思いの外、それ自体を目立たせるのかも知れない!」釣人は少年に頷いた。「もっと小さな、極小蛍光色ポイント」にすると使えるかも知れない。蛍光点が竜の様に動き始めた。