冬のパリは夕暮れが早い。節分も近いが、08:23に朝日が出て、 17:44 に日が沈む。
もう一踏ん張り、根詰めの夜半の帰宅が続く。セーヌの夜景が 1日の疲労を癒してくれる。
日課表に基づき作業を進めるが、机上の計算と実作業とのズレで、なかなか計画通りには進まない。予備日を使いきりながら、なんとか詰めの段階に漕ぎ付けた。もう一踏ん張りだ。「ラストスパートのタイミングを間違えちゃったかな?」釣人は少年に頭を掻いた。仕事後半の押しに、若い時分の体力計算との違いを実感した。仕事を終えて帰宅時間が夜半へとずれ込んで来る。釣人は帰路の散歩道を左岸から右岸へと渡る。夜のセーヌをバトー・ムーシュ(観光船)が世界遺産指定のセーヌ河畔の街並を照らしながらゆっくりと上って来る。パリを訪れた人の夜は、まだ始まったばかりなのだろう。「シャワーを浴びて一杯やろう!」夜半迄付き合ってくれた少年を釣人家の夕飯に招待した。二人は相棒の料理へスパートを掛けた。