JUGEMテーマ:日記・一般
高緯度にあっと言う間の夏至が遣って来た。草花は体全体で最も長い太陽光を吸収する。
雛罌粟:coquelicot(仏語)の鮮やかな緋紅(ひこう)色の花が草原に咲き乱れていた。
『 ああ皐月 仏蘭西の野は火の色す 君も雛罌粟 われも雛罌粟 』 / 与謝野晶子
夏仕事で暫く部屋に篭っていた。高緯度に夏至が訪れ、いつまでも窓外が明るい。気が付くと毎日かなり長時間働いている。昨日は気分転換に相棒と少年を誘い、ロワール川沿いにドライブに出た。古城と豊かな川を眺めながらのドライブコースはすっかり初夏の風景を匂わせていた。最初は麦畑の脇に美しくアクセントをつけるコクリコの花が目に付いた。村道を進むと突然、コクリコの大草原が現われた。三人は夏至に燃え上がる野火に取り囲まれていた。夏前の清々しい青空にコクリコは咲き乱れ、散る花びらが火の粉の様に香っている。三人は体内に夏至のエネルギーを存分に吸い込んだ。季節は夏風と共に初夏へ移ろうとしていた。