JUGEMテーマ:日記・一般
水辺に郷愁を感じる時があるだろうか?水から陸へ這い上がって生活を開始した陸棲動物も時たま水辺にふらりとやって来る時がある。DNA にはまだ微かな記憶が残っている筈だ。
掌を開いて見た。指間に残る皮膜は本当に水掻きの跡なのだろうか?繰り返す波の音を聞くと心が落ち着くのは釣人だけだろうか?涙の味に海水を思い浮かべる。現在の陸棲動物の先祖は皆、海や河口部の水域から陸へと徐々に這い上がって来たのだろう。時たま水辺にやって来て掌を水に浸し、慌ててハンカチで水を拭く。水の記憶は長い年月を経て薄まり、すっかりと陸の住人に成りきったからだろう。子供達がセーヌの水辺で遊んでいた。子猫が水に濡れた足を慌てて引っ込める様に、落ちない様に気を付けながら、それでも水辺へと近ずいて行く様子が面白かった。「彼等は竿は握っていないが、ひょっとすると僕達も彼等と同じ事をやっているのかも知れないね」釣人は笑いながら少年に言った。「水辺の植物も陸地へと上がろうとしているのかな?足が滑る水苔は丁度中間かも知れないね」少年も進化の過程を思い浮かべた。おっかなびっくりだからこそ水辺は面白い所なのだろうと思った。