留守番

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伝言

少年へ伝言
4月 22日(火曜)朝出発〜 4月 29日(火曜)夜帰宅、ブルターニュ鮭釣行です。鮭鉤を巻いて準備しておいて下さい。鮭竿は、いよいよ 14ft #11,12 の出番です。鱒竿には、 8ft4" #5 が便利です。 22日の朝 8:00am に迎えに行きます。楽しみに準備して下さい。 釣人拝



触発

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触発

「今年の川」をイメージする。自分に培われた「一年の輪」を毛鉤に巻き、川に尋ねる。
今の自分を「触発」するストレートな感覚、「移る変化の現れ」を正直に毛鉤へ巻き込む。

ブルターニュ鮭釣行が近づいて来た。出発迄に、今年試す新作の鮭鉤を巻き上げる。
準備の第一歩は、「今年の川」をイメージする事だ。それから具体的なアイデアを探す。
自由なアイデアを探しに散歩に出ると、「触発」される新鮮な素材としばしば遭遇する。
最初は、歴史を乗り越えて来た基本パターンを、繰り返し巻いて、巻いては練習する。
基本練習中に、少しずつ自主的に、「触発」される物が育まれる事を感じてくるだろう。
「自分の春一番の鮭釣りは、毎年新しく巻いた鮭鉤で釣るんだ」釣人が少年に話した。
「去年の春から自分に培われた物を、新年の川で試して見るんだよ」釣人は少し照れた。
「自分に培われた物って、どうしたら解るの?」まだ知らぬ鮭釣りを少年が尋ねた。
「昨年巻いた鮭鉤と今年巻いた鮭鉤のちょっとした違いに現れると思う」釣人が答える。
「川をイメージする力」は体験と共に成長し、「触発する物」は釣人の成長と共に変化する。
「自分の中に育まれて来た物を少しずつ、正直に、毛鉤に巻き込んで見よう」釣人が言った。
「例えば、自分の場合、さっきからウィンドーの花瓶に腰掛ける小さなお人形が気になっている。ちょっと小悪魔的な風貌が気に入ったんだ。青、黒、朱色のバランスが心地良く感じられる。このお人形を見ていると、燻し銀を何処かに加えて見たくなる。この気持ちが、次の毛鉤に現れ、燻し銀と青、黒、朱色の毛鉤が巻きたくなるんだ」釣人が少年に説明した。
「鮭鉤」を巻き始める時、「触発」する物を感じる迄、基本を正確に巻き続ける事が重要だ。






川の「影」と呼ばれる魚

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L'ombre

L'ombre(オンブル):学名 Salmo Thymallus / サケ科 Thymallus 属の淡水魚の総称。
英名ではグレーリング(Grayling)と呼ばれ、鱒、鮭と並び毛鉤釣りでの代表的な淡水魚。

MORVAN 自然公園に、「 L'ombre (オンブル)持ち帰り体長制限」の貼紙があった。
L'ombre(オンブル)とは仏語で「影」の意味を持ち、この魚は、正しく「影」と呼ばれる。

貼紙は、春 5月半ば〜川閉め 9月半ば迄、在来野生種の釣り上げたオンブルの内、 30cm以下のサイズに付き、「NO KILL リリース」を規則として告示している。自然公園内の釣りを管理している団体により、「在来野生種のオンブルの自然繁殖と定着」を促進する目的で規則化され、釣人各位へ貼紙アナウンスされたものである。一般的な鱒川の釣り解禁は、通常 3月半ば〜 9月半ば迄で、冬場の産卵期に川を閉め、釣り禁止期間として、鱒類の自然繁殖を保護している。オンブルは産卵期が鱒より少し遅く、春先へずれ込む為、鱒釣りが解禁になっても、 5月半ば迄オンブル釣りは禁止される事が多い。在来野生種として地域の川に定着し、毛鉤釣りの対象魚である鱒とオンブルではあるが、外見だけではなく、様々な点で多少の違いがある。例えば、鱒は通常、川底に待機して、あらゆる方向へライズ(捕食の為の動き)して、水面下や中層でフライを捕らえることが多い。それに対してオンブルは、常に川底に定着しており、定着位置の上を流れる非常に狭い帯状の区域でのみ捕食行動を起こす事が多い。又、フライを咥える場所は、自分の位置の後方が多く、フライを良く観察の上、咥えることが多いと言われている。川の「影」と呼ばれる魚の由来でもある。

「当分の間、先生は山と川、大自然という事になる」釣人は少年、詩人、相棒へ話した。
少年は微かな風音や川音、そして静かな山の音が、体に直接伝わってくるのを感じていた。

モーバン自然公園

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モーバン自然公園

PARC REGIONAL DU MORVAN:パリ南東 250km程の AVALLON 南に位置する自然公園。
自然公園内を第一級の釣川が流れ、ライセンス保有者に鱒、グレーリング釣りが許される。

MORVAN 自然公園内には、 2本の第一級釣川が山間や谷間を縫う様に流れている。
フランスでは釣川を第一級と第二級にランク付け、釣人にライセンス携帯が義務付けられる。
第二級釣川は基本ライセンス、第一級釣川では追加ライセンスが付属して必要となる。
それらの資金が、釣り環境の保護団体や整備団体へと割り当てられ、運営資金として働く。
長靴に履き替え、釣人道を川に沿って上流へと歩く。木々の幹には山苔が青々と美しい。
詩人と相棒は、青々とした山苔と森林浴に熱中。少年は、流れの奥を凝視して魚影を探す。
この地域の水質特色は、広い自然公園を流れる川水が、茶系の透明色をしている事だ。
生息する野生鱒は小型ではあるが、非常に美しい紅シクラメン色の斑点を装っている。
「この川で野生鱒を掌にした時、川の宝石と呼ばれる意味が解るよ」釣人が少年に話した。
「三箇所のポイント」を通過していた。釣人は特別な説明をせずに歩き続けて来た。
「瀬、水草、淵」。それらの意味は、少年自身がこれから川で発見してくれるだろう。
「底石、水流面」。これ等に付いても、少年自身が川から学ぶ歓びとして残しておこう。
「此処の川水は、ウィスキーの水割りを濃くした様な透明色なんだ」釣人が少年に説明した。
「川を見て良かった。釣行迄に巻いて来るよ」釣人と認めて貰えた少年は、嬉しかった。
釣人は歩いて来た道越しに川を振り返った。「宜しく頼むよ!」今年の川へ呟いていた。




顔のある家屋

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顔のある家屋

パリを脱出して地方の川見に来る。川を体で感じ、新鮮な空気を吸うと自由な発想になる。
民宿の工事中の別棟が、新鮮な発想で眺めると、子供の落書きの様な「顔」に見えて来た。

新鮮で自由な空気を体一杯吸込むと、細胞が「ナチュラル・ハイ」を起こすのだろうか?
普段では思いも付かなかった発想や視野が生まれてくる。これらは創作の肥やしとなる。
「民宿の別棟がアイスホッケーのキーパーマスクに見える」少年が頭を傾け、説明する。
詩人、相棒、釣人も少年につられ、首を捻って「モダンアートの鑑賞会」に自由参加する。
民宿屋主の話では、来年の夏頃を目標に内装を仕上げる予定で工事を進めているらしい。
内部を見せて貰うと、可愛らしい顔に見えた別棟に、お城並の大きな暖炉が備わっていた。
「この別棟が完成した頃、また集まって、その時は皆で大きな暖炉に火を灯そう。その時も、僕達はこの家屋に顔があった事を想い出すだろうか?」釣人が皆に語りかけた。
ワインが少し回り始め、いつの間にか家屋の顔は横になり、黄色い髪飾りを付けていた。






静謐(せいひつ)な椅子

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静謐な椅子

Abbaye de Fontenay:パリ南東 250Km程にある美しい佇まいに囲まれた城壁旧市街。
ユネスコ世界遺産の「フォントネイ修道院」は、ロマネスクの至宝とも呼ばれている。

セーヌ川上流部川見後、 Bourgogne(ワインで有名なブルゴーニュ)地方の民宿へと南下。
民宿屋主に挨拶して降荷。民宿の夕食時迄、近くの世界遺産指定旧市街を散策に出向く。
Abbaye de Fontenay 旧市街門は重厚な城壁門で、Bourgogne 地方での歴史を漂わせる。
平日訪問は、週末訪れる人影も少なく、美しい歴史の街並みをゆっくり贅沢に散策出来る。
相棒が以前撮影した美しい石作りの古橋を想い出す。皆で川辺へ下り、想い出への散策。
散策の末、美しく小さな古い石橋に到着。詩人と少年は、「悪魔と村橋」の昔話に熱中。
釣人は好きな小青花に誘われて、小さな石橋から少し離れた静謐した椅子を眺めた。
週末訪れる人影もなく、静かな土地の時間を漂わせる「椅子」の存在が、釣人を誘った。
名も知らぬ小川が流れ、小青花が咲く静かな土地の休憩時間を、釣人は「友」と過ごした。
鳥の詩や風の音が徐々に聞こえ始める。少年にも想い出の時間がひとつ積み重さなった。



セーヌ川上流

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セーヌ川上流

パリより南東 270km程のセーヌ川上流部。暖冬と雨の影響で、例年にない大増水だった。
増水で透明度が落ち、期待の魚影は、残念ながら目視では確認することは出来なかった。

4名(詩人、少年、相棒、釣人)は曇空のパリを出発、南東 270km セーヌ上流を目指した。
移動中は多少陽射があり期待したが、残念ながら、曇り空で現場へ到着、小雨が降った。
「春のセーヌ上流で、今年の増水ぶりは例年にない驚く水量だ」釣人が水流を見て言った。
川辺に生える土手草が、流れに飲込まれて揺れている。川全体が「雨水色」の半透明だ。
湧き水を水源に持つ為、泥水による濁りの影響は少なく、大増水でも半透明を保っている。
釣人を先頭に、長靴 4人組は雨にもめげず、川辺の釣人道を元気に上流へと歩き始めた。
「寒い服装はだめだよ」長靴 4人組は着込んで、パリでは聞けない力強い川音を聞いた。
雨が強まり橋へ戻る。橋が近づいた時、セーヌは長靴 4人組に燕の舞を見せてくれた。
空高くを飛んでいた燕が、急に川の水面すれすれを群れをなし、滑る様に旋回を始める。
今年の川見は 4名でセーヌに会いに来た。「川が出迎えてくれている」釣人は嬉しく思った。
詩人が燕を眺め、少年は羽音を聞いた。相棒は川音を心に留め、釣人は再会を感謝した。



留守番

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伝言

少年ヘ伝言
4月 10日(木曜)朝出発、11日(金曜)夜帰宅、 1泊 2日でセーヌ上流へ川見に行こう。
10日の朝 8:00am 家に迎えに行きます。詩人、相棒も一緒に 4名で行こう。 釣人拝


セーヌ川の増水

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セーヌ川の増水

4月 7日(月曜):最低気温 0度、最高気温 9度。湿度 87%(晴れ時々曇り、雨、霙)。
昨日、最低気温は 0度を記録し、夜には雪が降り、モンマルトルの丘では積雪した。

地球温暖化の影響をはっきりと現した様に、今冬は暖冬で、新春を例年より早く迎えた。
春の開花も順調、若葉も拡がり、春爛漫を迎えるが、例年になく寒気襲来が繰り返す。
昨日の最低気温は -1度。本日の最低気温も 0度と例年になく寒気襲来が長引いている。
暖冬は、春の芽生えが早く進み過ぎ、寒気襲来で若芽が弱るので農業では好ましくない。
「花冷え」の言葉通り、春先の冷え込みは認められるが、今年のパリは少し長く感じる。
春花が盛りを越し、若葉が拡がり始めた。寒気襲来が繰り返して、川の増水も始まった。
「セーヌ川の増水で季節を感じていたが、実は、パリのセーヌ川の水量は水門調節だった。増水時にパリの水害を守る為に、地方へ随分の水量が分流されるそうだ」釣人が言った。
「パリのセーヌ川の増水時は、セーヌ川全体ではかなりの増水なんだね」少年が答えた。
川全体の水量が豊かに増えている事は、魚にも、釣り人に好ましいシーズン到来となる。
「気になるのが鮭の遡上なんだ。晴天時には余り動かぬが、増水が進むと遡上が早まる。
4月後半、ブルターニュ地方へ鮭釣行計画中だ。鮭の遡上が気になる」釣人が川を見る。
セーヌ川は、昨日より降り続いた春の冷雨を懐に蓄えて、ゆっくりと海へと帰還させている。




紅色ヘッド

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紅一点

紅色(Rose Carmine JIS 3.0 R 4.0/13.5 ):紅花の汁で染めた紅染の鮮紅色。
紅(くれない,べに)の色は、茜の根などで染めた似せ物と区別して、「真紅」とも呼ぶ。

サーモン・フライ(鮭鉤)には数百種類にも及ぶ、クラッシックのパターンが存在する。
先達の鮭釣りへの情熱は、美しい魚を釣る哲学や毛鉤の芸術性を高い技術で競い合った。
古き良きクラッシク時代のパターンを調べて見ると、極稀に、「紅色ヘッド」が存在する。
パターン・リストでは鮭鉤の部分名称を十数の部位(HD:ヘッドなど)に別け、説明される。
HD(ヘッド)とは、針穴後部の位置で、羽などの材料を最後に縛る、毛鉤の「頭部」の事。
通常の鮭鉤では「黒色ヘッド」と指定されるのが、極稀に、「紅色ヘッド」が存在する。
数は稀少だが、どうしても「紅色」に指定するに至った理由を考えると、非常に興味深い。
通常は「黒色ヘッド」で事足りた。何故?歴史を越えて「紅色ヘッド」が残ったのか?
数少ない結果を逆から考察すると、重要なヒントが隠されている様で期待が膨らんでくる。
『赤系の色は、大魚に追われて必死に逃げる小魚のエラの色だ』と説明される事がある。
「だから水中で毛鉤の見えたり隠れたりする部分に、少し赤を使うんだね」少年が想像する。
「実際にそういった使い方を想像させるパターンも、数多くある」釣人が小さく頷いた。
「じゃあ、小さな紅色の頭部を、毛鉤にはっきりと創るのはどうしてだろう?」釣人が言った。
「エビ、イカ、カニ、吸血ヒル?理由は解らないが、釣れる鮭鉤として、歴史に残された」。
「赤い頭の雀がヒョコヒョコと、読書本の上を飛び跳ねたらどうだろう?」釣人が思案した。
解明出来ない謎の「紅色ヘッド」。少年と釣人は、途轍もない鮭鉤の奥深さと遭遇した。



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