キューバ 「喜一郎へ捧ぐ」

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キューバ 「喜一郎ヘ捧ぐ」 

キューバを去る朝、早起きして海へ行った。竿を使わない、糸だけの釣りを見届けた。 
道具に縛られぬ「一心同体」の釣り。聢と、その釣り技の真髄を見極めさせて貰った。

釣人はゆっくりと肩を回した。沢山のものを見せて貰った。いよいよ、飛立つ時が来たのだ。「アディオス アミーゴ」。「さらば!喜一郎」。何時かパリのサン・ルイ島、釣具店「毛鉤の家」(La Maison de la Mouche: 1, Bd. Henri IV 75004 Paris)へ来てくれ。店の亭主に Nobi の親友だと告げて貰えば、すぐに連絡してくれる。もしも不可能な状況にあるなら、見守っていてくれ。お前の好きだった曲、「石川セリ・八月の濡れた砂」(←左クリック)を残して行くよ。


キューバ 「海に祈る女(ひと)」

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「

キューバ

其の女(ひと)はケーキを体に擦り、残りをサンティアゴ・デ・クーバの海へ捧げた。
もう一人は何かを語り、掌の花をハバナの海に落とした。二人は確かに祈っていた。

釣人と相棒は、キューバに来て、女性の「海に祈る」姿を見届けた。釣人は、インドで見た「湖での祈り」を思い出した。やはり、女性が祈る姿だった。「海/mer」や、「水/eau(x)」は、仏語では共に女性名詞として扱っている。確か、スペイン語も、海へ愛情をこめて「ラ・マル」と呼び、女性として扱っている筈だ。女性が「女性」へ祈っている訳である。何故かその事が釣人の心を穏やかにした。「母」から生まれた子供が、助けを求めて祈る。女性は戻るべき場所を知っている。喜一郎、男は何時か「母」から離れ、やがて其れを守ろうとする。「チェ」は何に祈ったのだろうか?『もし私たちが空想家といわれるならば、救いがたい理想主義者だといわれるならば、できもしないことを考えているといわれるならば、何千回でも答えよう。「その通りだ」と。チェ・ゲバラ』。聞いておくべき事が、沢山あった。今になって気付いたよ。


ハバナ 「二つの音」

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ハバナ 「二つの音」

ハナナ 「二つの音」 

カサ・デ・ラ・ムシカ(Casa de la Musica):市外ミラマール地区にあるライブ・スポット。
「市内にも同店はある。市外ミラマール店がより良い」、宿マネジャーのお墨付きを貰った。

釣人は鏡前で櫛を通した。相棒も部屋のスペースで、支度を楽しんでいる。今晩の二人は、久しぶりに「都会暮らし」に戻ろうとしていた。相棒の香り一吹きも完了し、夜の街へと出発。意外なことにタクシーは閑静な市外住宅地で止まった。サルサのライブ・スポットは、昼間は音楽教室として併用されているそうだ。とは言え、夜のスポットらしく、横に開演待ちの時間を過ごす別店「飲みバー」が準備されている。夜 10時からの開場だが、演奏は深夜前から始まり、朝方 4時頃まで続けられる。場内は広いステージに眩しく楽器が並び、前に狭めなダンススペースがある。踊り場は、少々窮屈なほうが、盛り上がりが伝わるのだ。深夜直前に演奏が開始した。さすがキューバの首都、ハイグレードな演奏で都会的だ。歌手が現れ、踊り上手達がサルサやアフロで踊り始めた。甘いマスクでライブ曲を歌う若い歌手は、場内の女の子を完全に掴んでいる。歌、踊り、ルックス、どれを取っても輝いていた。ヨーロッパへ連れ出したら、旋風を起こしそうなプロ(玄人)芸人だ。喜一郎、僕はこの光の中で、旅中に出会った「二枚の絵」を思い浮かべていたんだ。「ふたつの音」が聞こえた。ひとつは激しいボリュームで鼓膜を振動させ、もうひとつは衣擦れの様に微かなささやきの声だ。その声は『われわれはみなひどく遠いところからやって来た ... 』、と。釣人にはそう聞こえた。相棒は瞳に星、曲が気に入り、テーブル下でリズム自主トレ中。「123 イッ!, サッサッサッ息!」。


ハバナ 「天井の高い部屋」

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ハバナ 「天井の高い部屋」 

室名「ALAZIRA」。ハバナ到着時に見つけておいた、隠れ宿、お気に入りの部屋だ。
高い天井には扇風機が回っている。旅を振り返り、飛立ち前に充電する空間だ。

ハバナ到着後、滞在中に予約しておいた宿がある。お気に入りの部屋と美味しい食べ物。旅の思い出を心に刻み、体を休めて、出発への余力を蓄える空間。体力の回復には甘味を含んだ美味しい一品も欠かせない。取って置きの「隠れ宿」を見つけた。旧式で天井が高く、ゆっくりと熟睡出来る部屋だ。近くにバラコア産カカオ使用のご機嫌なチョコレート屋もある。「Museo del Chocolate(店名:チョコレート博物館)」、此処の「冷やしチョコレート・ミルク」は世界絶品だ。この一杯、旅の疲れが癒される!。奮発覚悟でのロブスターパエリア店では、舌鼓を打てる。ベッドに横たわり、天井の扇風機を眺めていると、旅した時間が蘇って来た。随分、昔の様な感じだ。喜一郎、お前が教えてくれた言葉、今でも時々思い出しているよ。『バカらしいと思うかもしれないが、真の革命家は偉大な愛によって導かれる。人間への愛、正義への愛、真実への愛。愛の無い真の革命家を想像することは、不可能だ。チェ・ゲバラ』


トリニダー 「step by step」

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トリニダー 「step by step」 

音楽とダンスの村、「Trinidad 」にリターン。ハバナへは長距離バスで 6時間程の距離だ。
思いも寄らぬ旅の歓びを貰った。独学ステップは、「Salsa dance salsa and,123 イッ!, .. 」。

「同じ道順で戻ろう!」、釣人と相棒の意見が一致。「トリニダー」で二泊。深夜バスで距離を伸ばし、昨晩に続く夜を稼ぎ出す。いよいよ「村の広場」で今晩がラストチャンス。ステップは未完成だが、相棒はリズムを掴んだ様だ。独学イメージトレーニングと向上心の成果だろう。喜一郎、僕はどうやら、「チェ」に負けず劣らぬダンス上手?か、工夫を凝らして考え出した、独学ステップの効果はまだ見えない。相棒は今晩、素敵なラストダンスを踊れるだろうか?


トリニダー 「村の小学校」

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トリニダー 「小学生」 

村の朝は早い。宿の窓から 7時頃には、子供たちが学校へやって来るのが見える。
女子はえんじ色スカート、男子は同色半ズボン。シャツは白。首に青スカーフが制服だ。

女の子の背中バッテンのスカート肩ひもがいかにも可愛らしい。スカーフの色は大体が青で国旗仕立ての配色を思わせた。地域によりスカーフの色は多少違いがあり、女の子が赤、男の子が青の所や、黄色であったりすることもある。子供たちが大人の社会から離れ、皆で一緒に学んでいる風景は、小さな村を明るくしている。アジアの貧困地帯では、いまだに多くの子供達が働かされている ... 。フィデルが革命後に手がけたひとつは、学校の先生を育成する学校。喜一郎、最初は十一歳から十六歳までの少年少女が集められたそうだ。第一期卒業生は現在の校長先生クラスの年齢に達している筈だ。先生方はまだ皆が若い。生徒は学校を楽しみにやって来る。先生は生徒に負けぬ輝いた瞳で、教育費は一貫して無料だ。


サンティアゴ・デ・クーバ 「モスキュートバスターズ」

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モスキュートバスターズ 

旧都大作戦の準備中。「モスキュート退治人」が装備を整え、出陣に備えている。
キューバ 3月〜 4月、気温は 30度前後、旅行中は蚊に食われる事はなかった。

ずらり横一列に並べられた「マシーン」に何やら液体を注入している。いかにも戦闘準備中といった雰囲気だが、蚊の一家には鳥肌立つ恐怖の「マシーン」である。お陰様で僕等は血を吸われる事がなくなる訳で、人間社会にとっては致し方ない防御策だ。幼い頃、日本の記憶のどこかで、確か同じ様なものを見た事があったと直観した。なぜなら、音をたて白煙を吹き出す様が想像出来たからだ。まだ家の窓には網戸があり、風が部屋に入った時代。廊下の「蚊取り線香」が、夏を感じさせてくれた頃だ。エアコンはなく、団扇で涼さをとっていた時代があった。高度成長を遂げて近代国家となり、電化製品が全てを便利にしたが、福島原発所事故が起こってしまった。釣人と相棒は旅の途中でふと祖国を思った。何を守る為に、どんな防御策が必要なのだろうか?「モスキュート退治人」が、顔をあげて二人にニッコリと笑った。


サンティアゴ・デ・クーバ 「旧都なカクテル」

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サンティアゴ・デ・クーバ 「旧都のカクテル」 

良き伝統を丁寧に扱ってくれる。カクテルは不慣れだが、旧都で飲むものは「旨い!」。
甘さを変えて頂き、色々試してみた。最後はスタンダード、原点回帰に行き着いた。

お酒の甘い、辛いは、当然個人の嗜好によるものだ。飲む分量や、体調、食べ物との相性なども関係するだろう。キューバに着いて以来、ふだん殆ど飲まなかったラム酒、それも少々甘目のカクテルにお世話になっている。気候のせいだろうが、甘目のカクテルが実に旨く感じる。旅中頃に熟成深色ラムのストレートを教えて貰ったが、これは間違いなく旨く、嬉しい酔い心地だった。問題はやはりカクテルだが、毎日飲んでみて、初めて作り手によりかなり上下さがあることに気づき始めた。音の響きやリズムの切れ味が、そのままカクテルの味に反映している。素人舌ではあるが、この人のは旨いと思われたものは、一段と心地良く喉を潤す。自分味を探したが、原点回帰に尽きた。旧都育ちの感に任せるのが何よりの良策だ。


サンティアゴ・デ・クーバ 「again」

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歌う人

 聞く人

ハバナへの帰路、サンティアゴ・デ・クーバへ戻る。「カサ・デ・ラ・トーバ」へ再び!
白髪の女性歌手が静かに歌いあげると、客席のおばさんは深く優しい微笑を浮かべた。

セスペデス広場のすぐ横にある音楽会館「Casa de la Trova」は、二階が楽団演奏、一階がシャンソニエ風のカフェバーとなっている。フランスと違うのは、扉なしのフルオープン、誰でも椅子に腰かけて、ひと時の歌を聴ける。カフェバーの席料はなく、飲み物の注文は聞く人の自由意思だ。音楽は皆へ解放される。有志のカンパと笑顔がミュージシャンへ捧げられる。旅行者の CD購入は、重要な命綱だろう。喜一郎、客席の笑顔と歌手の心が繋がっている。拍手ではなく、笑顔で「ありがとう」を伝える。両者は、ひとつの連帯感を共有している様だ。同じ痛みや苦しみを耐えた共感と思われた。釣人と相棒はいつかまた此処へと確信した。


バラコア 「手作り 1台」

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バラコア 「手造り 1台」 

手に入れた部品を組み立てる。思いの色が塗られ、世に一台の人力車が誕生する。
「四ツ輪に A4 」、持ち主の心意気とご理解頂こう。正真正銘の MADE IN CUBA である。

自分も以前、Audi A4 に夢描いた事がある。予算オーバーで夢適わなかったが、好みの車だった。時代は流れ、2011年最新シリーズは A8 に至っている。「こういうのを見ると、物が作りたくなるなァ 」釣人は相棒に指さした。何とか調達した部品、利用できるものを工夫思案して誕生させる。逸品は物作りの魂だ。釣人はふとパリの隠れ家「Dragon」と少年を思った。「そろそろ、ハバナに向かってもどろうか?」釣人は「手作りの街」の中で相棒の肩を叩いた。


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