夏の木の実

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夏の木の実

「巣立ち」した山鳩の巣へ 1日おいて行って見た。巣は空っぽで戻った形跡はなく、
新しい翼で空を飛んでいる事と思われる。気が付くと木には夏の実が膨らんでいた。

『巣立ったら巣には戻らない』と聞いていたが、もう一度仕事前に山鳩の巣へ行って見た。
母鳩と子鳩 2羽で狭そうだった山鳩の巣は使われていない別荘の様にがらんとしていた。
周囲を注意深く見回したがそれらしい親子の鳩は見当たらず、新しい場所へと移ったと思われた。ふと気が付くと巣の周辺の木には夏の実が膨らんでいた。子鳩の成長を見守っている間に、木々もすくすくと育っていたのだった。「夏は全ての物を逞しく育てるんだよ」釣人が少年に言った。「母鳩も木の実の成長を観察しながら子鳩を育てていたんだね」少年が膨らんだ木の実を見ながら言った。隠れ家「Dragon」への道すがら、発見した小さな山鳩の巣から色々な事を教えて貰った。巣立った子鳩も風切り羽を元気に張って大空からパリを眺めている事だろう。「さあ、僕達も夏休みの宿題と取り組もう!」釣人は少年の肩をポンと叩いた。




山鳩の巣立ち

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山鳩の巣立ち

仕事の休憩で16:15に巣を観察に行くと、山鳩は既に「巣立ち」を終えて空っぽの巣だった。
山鳩は周辺には見当たらず、儀式を無事に終えてより安全な場所へ飛び去った模様だ。

「巣立ちを促す母鳩の仕草や子鳩の準備運動、そして何と言っても初飛行ぶり、見れなかったものは残念だが次回の楽しみに残しておこう。巣立ちおめでとう!」「全員元気に巣立ち出来て良かったね!」釣人と少年がお祝いを言った。巣の下や周辺、木の周りやとまれそうな所を注意深く探したが、3羽は何処にも見当たらなかった。どうやら心配だった緊急事故や天敵の襲撃も母鳩に守られて無事にクリアーして飛び去った様子に二人は胸を撫でた。思えば一昨日の母鳩の久しぶりの外出は、巣立ち後の安全で木の実が豊富にある場所の確認であったのかも知れない。子鳩を守る母鳩のことだから、巣立ちも早朝の街人が少ない時間帯に行われた可能性が想像された。ヒナ鳩を確認した 7月 19日から数えて 13日目、未確認の日を 2,3日追加しても約 2週間少々の日数で良くぞ巣立ち迄育て上げたものだと釣人は野生の逞しさに関心させられた。フランスではこう言う日は、ワインはブドウジュースとして扱われるのだった。早速少年と「祝、巣立ち!パリ空へ飛んで行け!乾杯!」と相成った。


親鳩の帰宅

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未定

昨日の観察時に不在だった母鳩が本日はしっかりヒナ鳩を守っていた。ヒナ鳩は幼鳩を経て子鳩へと順調に成長を続けている。母鳩は子鳩を前に置き、常に後ろから見守っている。

産毛で覆われたモジャモジャのヒナ鳩が何時の間にか母鳩と同じ様な色柄の羽毛に生え揃って来た。「良く見比べてごらん。母鳩の尾羽と子鳩の尾羽は色は似て来たけれどまだ張りと硬さが違うだろう!空中で風を切ったり空気を押さえたりする為には軽くて強い風切り羽が必要なんだ。飛ぶ時に必要な部分の羽毛が今どんどんと強く丈夫に育って来ているんだよ」釣人が少年に説明した。「子鳩が自分のくちばしで体の色々な部分をつついて整え始めたね。新しい羽毛を自分で引っ張り出している様だよ」少年が 2羽の小鳩の様子を観察している。小鳩のその様子は、初めて鏡を見て櫛を入れる少年や初めてのマスカラを引く少女の様で釣人には微笑ましかった。母鳩は巣の際にとまり、体を巣外に出して、子鳩に安全な場所を提供している。二人には母鳩が両羽根で巣ごと子鳩を抱きかかえている様に見えた。


親鳩の外出

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親鳩の外出

6月 26日に巣を空けていた山鳩が戻って来た。以降は母鳩らしい 1羽が常時巣中に留まっていた。7月 19日のヒナ鳩確認以降も巣中に留まり続けていた母鳩がはじめて外出した。

1ヶ月ぶりの外出だったのだろうか? 24時間体制で観察していた訳ではないが、山鳩が巣に戻ってから約 1ヶ月ぶりに母鳩の外出を確認した。母鳩の居ない巣中で 2羽のヒナ鳩が巣が狭そうな程に成長を遂げていた(手前右が先に生まれたヒナ鳩で大きく、奥左が後で生まれた小さいヒナ鳩と思われる)。外観で 2羽のヒナ鳩の体の大きさに明らかな違いが認められた。先に生まれたヒナ鳩がより多くの餌を貰った結果ではないかと推測される。ヒナ鳩の成長に伴ってより多くの餌が必要になった為の母鳩の外出なのだろうか?巣立ちと自立を考慮して親離れを促す目的での外出だろうか?何れにせよ一服出来る迄にヒナ鳩が育って来た結果と思われた。ひょっとすると狭い巣でヒナ鳩に羽を伸ばせる空間を与えようとする親心の一時外出とも思える程の母鳩の献身的な子育てぶりであった。ヒナ鳩が静かに落ち着いている様子を見ると、観察外の時間に時々は外出していたのかも知れない。「野生動物の世界では給餌時の親の生死は即、自立前の子供の生死を決定する事を意味しているんだ。だから親は子供を育て守る為に生き続けなければならない。家族は野生を生きる運命共同体なんだよ」釣人が少年に言った。「後で生まれた小さいヒナ鳩が早く大きくなるといいね」少年が心配そうに見守って言った。「ここ迄育ったら第一段階は OKだと思うよ。次は巣立ち時の落下事故や害敵(カラスや猫など)に襲われる危険を乗り越える注意だろう。今の処は母鳩が守る巣中にいれば一応の安全は保たれている」釣人の説明が少年を少し安心させた。巣が狭く見え始めて来るといよいよ「巣立ち」が近い事を二人は感じ始めていた。



二羽だったヒナ鳩

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二羽だったヒナ鳩

成長期のヒナ鳩の顔が一つ、奥に見えるのが母鳩の顔、そしてまだ短い尾羽で頭隠して
尻隠さずといった様子のヒナ鳩の後ろ姿。巣奥に隠れていた二羽目のヒナ鳩を確認出来た。

少年が早朝からやって来た。昨夕、山鳩の巣中にもう一つの動くものが一瞬であったが見えたと言うのだ。狭そうな巣であっても、ボートの中の様な構造であれば案外奥は深く、卵から孵ったヒナ鳩は 2羽だった可能性は否めない。早速二人は山鳩の巣へ向かった。相変わらず樹上の母鳩とはすぐに目が合うのだが、夏葉ですっかり覆い隠された巣の様子は下からの角度では観察が難しい。街路樹の周りをぐるぐると回っては観察出来る隙間を探し出す。「見えたよ!」少年が丁度良い角度を発見した。「あっ!本当だ」釣人と少年は巣中にいる 親子 3羽の姿を確認した。見慣れたヒナ鳩はすっかり鳩らしく成長していて幼鳩期の羽毛が逆光で輝き元気そうな風貌だ。奥から警戒する母鳩の前に、顔は見えないが可愛らしい生えたての尾羽が見えた。 1羽目のヒナ鳩より少し小さい目ではあるが、十分に成長した 2羽目のヒナ鳩が狭そうな巣中に混じっていた。「ヒナ鳥の成長はすごい勢いだね」少年が日ごとに大きく、鳩らしくなる様子に驚いた。「もう少しすると飛行訓練が始まり、巣立ちの日を迎えるんだ」釣人が少年に言った。釣人は樹上の母鳩にもうひと踏ん張り頑張れ!と呟いた。





ヒナ鳩の成長

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ヒナ鳩の成長

ヒナ鳩を確認して順調に 10日余りが経過した。親鳩は一刻も離れずにヒナを見守っている。産卵時から相当の時間が経過しているが、母鳩の消耗はヒナ鳩の巣立ち迄続く様子だ。

観察の度に樹上の母鳩と視線が合う。見慣れる事により少しは警戒を緩めてくれているのではないか?と思われるが、母鳩からの警鐘があるのだろうか?ヒナ鳩の姿をはっきりと
確認出来るタイミングは難しい。釣人の観察では産卵からヒナ鳩の誕生に至る迄、巣中に留まっている鳩は同一の母鳩 1匹である様に思われた。昼と夜に雌雄交代すると言った内容の文章も目にした事があったが定かではない。鳥類は飛び続けていない限りエネルギー
の消耗が少ないのだろうか?それにしても長期間の抱卵、子育てで随分と消耗が進んで来ているものと予測される。鳥類には消化管の一部で食道に続く「嚢(そのう)」という膨出部があり、一時的な食料貯蔵所となっている。ハト類は側壁に嚢腺があり、育雛期間中はこの腺から嚢乳が分泌されてヒナに与えられるそうだ。母鳩に守られてヒナはすくすく育っている。そんな矢先、「昨夕巣中に 2匹目のヒナ鳩を発見!」少年から緊急連絡が入った。一瞬であったが、もう 1匹のヒナ鳩が見えた?との事だった。明日、少年と確認に行く約束となった。



山鳩のヒナ誕生

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山鳩のヒナ誕生

少年と見守っていた街路樹の巣に山鳩が帰って来たのが 6月 26日だった。以降は巣中に常時 1羽が入っていたが、7月 19日に親鳩の翼に潜り込もうとするヒナ鳩 1羽を確認した。

7月 9日、ブルターニュ釣行用具の後片づけを終えて、パリ留守中の巣の様子を見上げると相変わらず親鳩 1羽が巣中で特別な変化は無かった。7月 19日、遂に親鳩の中へ潜り込もうと動く小さなヒナ鳩 1羽を確認出来た。二、三日前から親鳩の座り場所がいくぶん巣中の上部へ移っていたので、ヒナ鳩の誕生はその頃であったのかも知れなかった。山鳩は通常 2個の卵を産み、親鳩が卵を抱き始めて 2週間少々でヒナ鳩が誕生するとの事なので、順調な経過であったと思われる。「ヒナ鳩がまるで子犬の様に母鳩の中を動き回っている」少年は待ちに待ったヒナ誕生に大喜びだ。巣中の構造は観察出来ないが、すっかり夏葉が巣を覆い隠し、深緑色のカーテンに守られた小さくとも安全なホームと思われた。親鳥が樹上を見上げる少年と釣人を心配そうに凝視しているので、釣人と少年は「誕生おめでとう!」と
祝福を贈り、手を振っていち早く退散した。山鳩家のプライベートを守りながら観察を続ける。



山鳩の帰宅

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山鳩の帰宅

少年と共に見守って来た山鳩の巣がある。三月後半を最後に何処かへ飛去った山鳩夫婦が昨日突然帰って来た。少年に連絡して見に行くと、山鳩の一羽が巣の中にいた。

山鳩は大陸を渡る習性はないので食料や木の実を求めて場所を変えていたと思われる。
隠れ家「Dragon」の帰り道、少し遠回りをして二人はこの街路樹をしばしば見上げていた。
若緑の葉が茂り深緑に変わっても山鳩夫婦は戻ってこなかった。殆ど諦めていたが昨日の帰宅時に街路樹を見上げると二羽の山鳩が巣の中で休んでいた。帰巣性があるので多分同じ山鳩夫婦であると思われるが、個体差を確実に見分ける事は釣人と少年には難しい。
「此処は一先ず、ようこそお帰りなさい!と言う事にしよう」釣人が言い、少年が頷いた。
産卵は春先頃が多いと聞くが、卵を抱いて 2週間少しでヒナが孵るらしい。「巣の中に卵
があるかなあ? 2個の卵を産むんだったよね」少年はヒナの誕生を楽しみにして見上げた。
すっかり深緑の葉で覆われた街路樹の巣から山鳩が心配そうな顔で二人を見つめていた。



若葉の季節

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若葉

街路樹の若葉が芽生えた。春の訪れは、日当たりと競争して、駆け足でやって来る。
山鳩の番(つがい)にはまだ産卵の様子は見えない。巣を見守りながら、観察を続ける。

3月始め、街路樹に巣を作った山鳩の番(つがい)を発見。少年と共に見守って来た。
「春の嵐」が来た。気温が下がり、突風が吹く中、安全な大樹に身を寄せて凌いでいた。
少年と共に、この街路樹の巣を見守る。巣に居ない日が多く、周囲に目を馳せて探した。
落葉の街路樹、「山鳩の巣」は余りにも目立ち過ぎる。彼らはそれを気にしているのか?
「巣に居ない時でも、巣の近くに 2匹は殆どいたね」少年は 2匹の発見名人になった。
「天敵。カラスか?街路樹の葉っぱが巣を隠してくれるのを待っているのか?」
若葉が春陽を浴びて葉を開き始めた。同時に、 2匹は巣に近づき始めている様に見える。
「マイホームが若緑色のカーテンで覆われる頃に、産卵が始まるかな?」釣人の直感。
「産卵後、母鳩の体温が上がり、 2週間少しで雛が孵るだったね」少年の復習。
ブルターニュ地方で春一番の鮭の遡上が始まった。曇り時々晴れ、春の足音が聞こえる。





棲分け

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山鳩の巣

「すみわけ」。近縁種が共存の手段として、時間的、空間的に生活場所を違えること。
同一の資源を必要とする動植物が、生き続ける為に競争を避けるという機能をもつ。

冬の厳しい風が緩み始めた。道すがら、ふと街路樹を見上げると山鳩の巣があった。
「よく見てごらん。カッコいい白いスカーフを巻いているだろ」釣人が少年に言った。
彼らは群れを作らないし、雑食性ではない。地上や樹上で穀類、木の実などの餌を取る。
マイホームだって直線だらけのプレハブ住宅を嫌う。よく似ているけど違うんだ。
川や湖でも、外見よく似た鮭鱒類がそれぞれに特徴的な住み場所を持って生きている。
山鳩の巣は「粗末な巣」などと呼ばれるが、釘を一本も使わず、見事な日曜大工ぶりだ。
「風流ないい家じゃないか」釣人は樹上に小枝で作られた彼らの家が気に入った。
巣で横たえているのが雌で、横に付き添って周囲を見ているのが雄だろう。
表情を観察すると、柔和な様子ではあるが、まだ産卵には日にちがありそうだ。
「卵を抱き、2週間少しでヒナがかえる。不器用な職人さんを見守ろう」と釣人は言った。
少年は「明日からこの道を通ることにしよう」と早くもヒナの誕生を楽しみにしている。





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